拍子抜けするくらい簡単…気持ちも運用も楽チンな「つまらない投資法」の中身
---------- 「お金の使い方」は、生涯にわたる最重要テーマです。なぜ働くのか、投資とはなんなのか、早いうちから学んでおくに越したことはありません。人生の岐路に立つ日が迫る子供に、その大切さを伝えるとしたらーー。安田修著『中学3年生の息子に贈る、学校では教わらない「お金の真実」』(Gakken)より、内容の一部をご紹介しましょう。 ---------- 【写真】3500万円ローンを組んだ「年収700万夫婦」老後破綻の危機に陥ったワケ
適切なリスクを取ること
ちなみに、リスクを取るということは必ずしも悪いことではない。「リスクはリターンの源泉」だ。 そもそも、リスクを取らないとリターンは発生しない。リスクをゼロにしようとするとリターンが限りなくゼロに近づく。リスクを頑張って減らしたとしても、リターンがマイナスになることすらあるかもしれない。 大切なのはリスクを取らないことではなく、「リスクについて理解して、適切なリスクを取ること」だ。「長期的に世界経済が成長するか、いつか破綻するか」というのは、取るに値するリスクだと僕は思う。 一方で「特定の会社が成長するか、それとも破綻するか」は、昔はある程度は予想できると考えていたけれど、今では宝くじみたいなものだと思っている。まあ資産のごく一部で、応援の気持ちで少しお金を出すとか、娯楽として楽しむ分にはよいだろうけれど。 話を戻そう。そんな風に世界分散、投資対象分散、銘柄分散をしたら、あとは時間分散だ。ここではドルコスト平均法を用いる。言葉は難しそうな響きだが、これは専門家がカッコつけてこんな名前をつけただけで、拍子抜けするくらい簡単だ。
ただ淡々と、買い続ける
ドルコスト平均法とはつまり「毎月、決まった金額で買う」ということ。毎月5万円のETFを買うと決めたら、何も考えずに5万円分を買う。ETFの価格が1万円だったら5単位買うし、2万円だったら2・5単位、5000円だったら10単位買う。このルールに従うと、高いときには自動的に買う単位が少なくなるし、安いときには多くなる。 ポイントは「これから上がりそうだから少し多めに買っておくか」などという判断を一切入れず、決まった金額で機械的に買うということ。つまり、何も考えないこと。上がるか下がるかは予想できないから、とにかくルールに従うことだ。株価が暴騰しても暴落しても気にしない。ただ淡々と、買い続けるんだ。 そして決して、売らない。決まった金額を買って決して売らないということは、判断が全く入らないということだ。 収入が増えたら毎月の投資額を増やすとか、株の比率を少し減らして債券を増やそうかとかは年に1回くらい考えてもよいが、日々の値動きは見ないくらいの感じだ。 どうかな? つまらないだろう。しかしこれが、正しい投資法なんだ。あらゆる投資法の中でもっともパフォーマンスが安定していて、何より気持ちが楽なやり方だ。
安田 修