デビュー戦終えたJuju、そのパフォーマンスをどう評価すべきか。レースペースでは健闘……次なる“宿題”はタイヤのウォームアップ?|スーパーフォーミュラ分析
“女子高生レーサー”の触れ込みで注目を集めるJuju(TGM Grand Prix)の実力はいかほどか? それは鈴鹿サーキットで行なわれたスーパーフォーミュラ開幕戦において、多くのファンにとっての関心事だった。 【動画】スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿:決勝ハイライト まず結果のみを列挙すると、予選はQ1のB組に出走しトップから4.837秒落ちの1分40秒699で10台中10番手。19番グリッドからスタートした決勝レースは完走扱いとなった19台の中、トップと1分09秒差、同一周回の17位フィニッシュ。決勝ベストタイムは1分40秒895で、19台中18位だった。では、レースウィークのJujuについてもう少し詳しく見ていく。 他のドライバーに大きな差をつけられた予選を終えてJujuは、Q1では2周連続でのアタックラップを想定していたものの、2周目のアタックに向かう前にチェッカーが出てしまったと説明した。2周目のアタックが出来ていればどれほどのタイムが出ていたのかは神のみぞ知るといったところだが、少なくとも予定通りの予選シークエンスを遂行することができなかった、ということのようだ。 これまでNODA RACINGの監督、そしてJujuの父として二人三脚で戦い、今季はTGM Grand Prixのアドバイザーを務める野田英樹氏はこれについて、フリー走行では想定していたプログラムをほどんどこなせないほどうまくいかず、そういった状況も踏まえて2周アタックの戦略を採ったという。しかしJujuが1回目のアタックラップに向かった段階ではセッション残り時間は1分を切ってしまっており、2回目のアタックには到底間に合わない状況となってしまっていたが、そこにはコミュニケーションの問題などがあったと語る。 このように予選は不完全燃焼となり、予選後のJujuも浮かない表情をしていた。しかし決勝では、レースペースでライバルとそれほど大きな差がないことを示した。 15位の笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)と17秒差、16位の大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)と15秒差の17位でフィニッシュしたJujuは、18位のテオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がコースオフによるフロントウイング破損で大きくタイムロスしたこと、19位完走扱いの小林可夢偉(Kids com Team KCMG)が実質残り数周でリタイアしていることを考慮しても、ライバルを打破するほどのパフォーマンスまでは出せなかったことは確かだ。しかしラップタイムの推移をグラフ化すると、周回によってはライバルを上回るペースで走っていたことが分かる。
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