現代劇と時代劇のハイブリッド!『身代わり忠臣蔵』は、予想を超えた凄い映画だった!
【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
時代を超えて愛され続ける復讐劇「忠臣蔵」、なんなら昔から歌舞伎などのお芝居、今でも毎年年末に映画やドラマになっている印象で「新しい描き方なんて出来るの?」って題材なのですが…あった!! 吉良上野介の見た目そっくりな弟が、その身代わりになるという奇想天外なストーリーなのですが“視点”が、素晴らしい。 基本的に忠臣蔵と言えば、四十七士が正義、吉良が悪、で描かれることが多いのですが、この作品は“身代わり”という第三者の視点を中心に描くことで、歴史に残る大事件の見え方が、全く変わってくる。 史実がしっかりとわかるストーリー構成を、現代的なコメディの演出で見せていく流れがお見事でした。ラストのアクションとか、王道の立ち回りから、今話題のあのスポーツの大パロディで「やりやがったな!」と、叫びそうになりました。 よく聞いていると、エレキギターやシンセサイザーなどの現代的な楽器のBGMと、笛や太鼓の古典的な和楽器のBGMの使い分けのバランスも素晴らしい。 で、そのバランスの中心にいるのが主演のムロツヨシさん。名優で傑作に沢山出演されているのですが、説明しようとすると「勇者ヨシヒコのアレやってた人~」とか言われがちで、筆者の中では「上手いのに代表作に恵まれない和製ブラピみたいな俳優さん」と、思っていたのですが、今作はコメディパートからシリアス、兄と弟の2役も含め軽やかに演じ分けていて、ムロさんのスペックがフル稼働されてました。 この人がいなかったら、あの「現代風だけどちゃんと時代劇」は、実現しなかったんじゃないかと思います。 「ムロツヨシといったら身代わり忠臣蔵」と、言われるような映画になって欲しい。単純に面白いので、できるだけ大勢の人に観ていただきたい1作でした。 推しは、寛一郎さん演じる清水一学です。ああ、まだまだ書きたいことがいっぱいあるけど、ここから先は劇場で! オススメです!