ヘリテージ コレクションやアーカイブピースが展示、美術館のようなヴァン クリーフ&アーペル旗艦店。
彼女によると、パトリモニー コレクションのために入手する過去のメゾンの宝飾品の出どころはさまざま。オークションで競り落としたり、個人の所有者から連絡をもらったり......。愛、自然、ミステリーセッティングなどメゾンを象徴するテーマや特徴的な技術を求め、所蔵品に含める意味や価値のあるジュエリーを集める苦労は少なくないという。とりわけメゾン創業の20世紀初頭は数が少ないだけでなく、リフォームすることが多く行われていた時代なので、アトリエから出た時の姿をとどめていないのだ。そんな中で、語るアレクサンドリンヌの声を弾ませるのは、今年コレクションに加わった驚きの一点。1937年に女優マレーネ・ディートリッヒのために制作されたガーターブレスレットである。 「ルビーとダイヤモンドを敷き詰めたボリュームのあるピースなのに、手首につけるととても軽い。パトリモニー コレクションは特に有名人が所有した来歴等にはこだわってはいません。このブレスレットは、施された驚くべき技術ゆえに入手しました」
次回ヴァンドーム広場のサロンを訪れることがあれば、迷わず20番地のヴァン クリーフ&アーペルへ足を運ぼう。
プレシャスストーンを使った赤青緑のジュエリーの時代の後、コーラルやターコイズなどハイジュエラーが使う石の種類の幅が広がった50~70年代のカラフルな宝飾品約60点を展示。
最後に、見るだけでは物足りないというジュエリーラバーへの朗報を。それはメゾンが1920年代から90年代にかけて制作した作品を新たに販売するために自ら収集したヘリテージ コレクションの存在。
こちらは不定期だが、22番地の本店にて展示されているアーカイブピースを購入することもできる。
22-24, place Vendôme, 20, place Vendôme 75001 Paris France 営)11:00~19:00 休)日 tel:33-(0)1-55-04-11-11 www.vancleefarpels.com *「フィガロジャポン」2024年1月号より抜粋 text: Mariko Omura