【2024年】THRが選ぶベストパフォーマンス俳優15選
カルラ・ソフィア・ガスコン(『Emilia Perez(原題)』)
スペイン人女優ガスコンが主演するジャック・オーディアール監督のミュージカル映画では、メキシコのカルテルのボスが性別適合手術後、家族の愛と贖罪を求める姿が描かれる。ガスコンはエミリア役で解放感や自己実現の喜びを真実味たっぷりに表現し、家族を犠牲にしたことへの後悔や、それを取り戻そうとする無謀な試みにも深い感情を吹き込む。彼女の新しい名前を味わうシーンは感動的で、ゾーイ・サルダナも弁護士役で力強いサポートを見せている。
イーサン・ヘリス&ブランドン・ウィルソン(『ニッケル・ボーイズ(原題)』)
映画は、ラメル・ロス監督の詩的な美的感性とジョモ・フレイの生々しい映像美を通じて、ジム・クロウ時代の人種的残虐性を掘り下げる作品。俳優ヘリッセとウィルソンが、それぞれ優秀な学生エルウッドと皮肉屋ターナーを演じ、友情を築きながら矯正学校での収容生活を描く。2人の控えめながらも強烈な演技は、トラウマとその後の無感覚をリアルに伝え、観客の心を揺さぶる。
カニ・クスルティ(『All We Imagine As Light(原題)』)
パヤール・カパディア監督の初の長編作品は、ムンバイで働く三人の女性を描き、都会を離れた海辺の村での休息を通じて彼女たちの個人的な気づきを描いている。中心となるのは、ドイツにいる夫との疎遠な関係に悩む看護師プラバ。プラバを演じるクスルティは、感情を抑えながらも深い内面を見せ、観客に強い印象を残す。3人の女性のつながりを通じて、彼女たちの成長と心のつながりが描かれる。
クラレンス・マクリン(『SING SING(原題)』)
グレッグ・クエダー監督のドキュフィクションでは、コールマン・ドミンゴとポール・レイシが主要キャストを務めるほか、元受刑者のマクリンが自身の体験を反映したキャラクター、ディバイン・アイを演じている。ドミンゴ演じるディバイン・Gは、ディバイン・アイの未熟だが魅力的な才能を見抜き、アートを通じたリハビリプログラムに招き入れる。2人の関係は敵対やライバル心を経て友情へと発展。マクリンの自然体の演技は、彼の過去の荒々しさと再生の知恵をリアルに描き出し、観客の心を掴む内容となっている。