左折するのに右にハンドルを切るのは道交法違反!?「右振り左折」は安全面・マナー面的にも悪癖なので改めましょう
自車の内輪差を知る必要がある
クルマを運転していると、気になる運転をしている車両を見かけます。そんな他車の運転でとくにヒヤッとしてしまうのが、幹線道路などを走行している前車が左折をするとき右側に膨らむ運転です。意外とこのような運転をするドライバーを多く見かけますが、「右振り左折」は本当に危険です。 【画像】後続車がヒヤッとする!「右振り左折」を見る(全6枚)
「右振り左折」は道路交通法違反になる
交差点などで左折する際に、1度右にハンドルを切ってから左折を開始する人を見かけることがある。これは「あおりハンドル」といわれる運転の仕方だ。幹線道路や住宅地で、10台中1台もしくは2台ぐらいの割合で存在している。なぜ「あおりハンドル」をするのだろうか? おそらく内輪差の影響で、内側のリアタイヤを縁石にヒットさせたくない、という防御反応がそうさせていると思われるが、けっこう危険なのでやめてほしい。まず後続車からすれば、ウインカーが左方向にでているにもかかわらず、ノーズは一旦右を向き始めるのだからヒヤッとする。当然ながら対向車も焦る。そして後ろから走ってきたバイクや自転車も、巻き込まれそうになり恐怖心を覚える。 つまり端から見れば、一種のフェイントモーションになるので、甚だ迷惑でしかない。また、同乗者も、1度逆振りされることで身体が余計に揺さぶられ、クルマ酔いの原因になり、少なくとも快適とはいえない体験をすることになるだろう。クルマの事情としても、タイヤは無駄にこじられ、ステアリングのタイミングは遅れ、なおかつ大舵角になるし、車体の動きも不安定になるのでいいことがない。 道路交通法には次のように書かれている。 「車両は、左折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない(第三十四条第一項)」 つまり「あおりハンドル」は違反行為そのものになる。 というわけで法規的・安全面・マナー面的にも、こうした悪癖はすぐに改善してもらいたい。 「えっ、でもそうしないと交差点を曲がれないような気がするので……」という人は、車両感覚が掴めていないことだろう(トレーラーなど大型車両は別)。いま乗っているクルマのサイズが、自分の身体感覚にマッチしていないと思われるので、まずはワンサイズからツーサイズ小さいクルマに乗り換えて、「あおりハンドル」なしで右左折できるクルマに乗ってほしい。
自分が「あおりハンドル」をやっていないかチェックする
さらに「あおりハンドル」をやっている自覚がある人なら、まだ救いがあるが、まるっきり自覚がないドライバーも中にはいるので、できればドライブレコーダーの動画をチェックして、自分が「隠れあおりハンドル」になっていないか、客観的に確認してみることも大切だ。
藤田竜太(FUJITA Ryuta)