【取材9か月】なぜ集まる? "トー横キッズ" 少年少女が明かしたことは…
ホストクラブや風俗店が軒を連ねるネオン街、新宿・歌舞伎町。その中心部に「トー横」と呼ばれる場所があります。ここに集まる若者たちは、多くが未成年で、「トー横キッズ」とも呼ばれています。 高校生(15) 「TikTokとかでネッ友に『トー横界隈来る?』みたいに誘われて『じゃあ行ってみるわ』って感じで来ました」 「自分が考えた理想の自分でいられるから。お互い楽しいし、居やすいから」 ネットで知り合い、トー横で仲間を増やす――。若者たちはこの場所で独自のコミュニティーを作っていました。 「Twitter(※現X)やってる?交換しよう」「いいよ」と連絡先も気軽に交換。しかし、SNSで使うハンドルネームを名乗るため、お互いの本名を知らないことも多くあります。時には、危険な大人と出会うことも…。トー横をめぐっては、様々な事件もおきています。 こうした治安の悪化に警察は、定期的に一斉補導を実施。しかし、3日前に補導されたはずの16歳の少女は、すぐにこの場所に戻ってきていました。 なぜ、子どもたちはこの場所に引き寄せられるのか。私たちは9か月にわたりトー横を取材。子どもたちの声に耳を傾け続けました。
■「みんなと」「一緒に」…仲間と過ごすためこの場所に
私たちが取材を始めたのは3月上旬で、この日の最低気温は5度でした。厳しい寒さの中、多くの子供たちが集まっていました。一体、トー横で何をしているのか。 中学3年生(当時) 「ここでみんなとしゃべるのが楽しい」 高校2年生(当時) 「一緒にたばこ吸えるし、お酒飲めるし。学校の友達より楽しい」 中学2年生(当時) 「地元の先輩とかはめんどくさい。ここは年上とか関係なく話せるし」 多くが、トー横でできた仲間と過ごすためにこの場所に来ているといいます。しかし、飲酒や喫煙をする子どもも多く、非行の温床にもなっていました。中には神奈川や千葉、埼玉など周辺の県から電車で1時間以上かけて来る子どもも。この日も50人を超える子どもたちが集まっていました。