マカオのIR併設ホテルで強盗・監禁事件発生…容疑者5人スピード逮捕
マカオ司法警察局は10月28日、前日(27日)午後にコタイ地区にある統合型リゾート(IR)併設ホテルの客室で強盗・監禁事件が発生し、容疑者5人のうち3人を通報から約2時間半後にマカオで、残る2人についても中国本土の警察当局が28日未明に湖南省でそれぞれ逮捕したと発表。本件については、被害者、容疑者のいずれも中国人(中国本土居民)。 同局によれば、被害者の男性は27日正午頃、カジノ内で知り合った違法な貨幣両替に従事する男2人とメッセンジャーでやり取りをする中、カジノゲームで勝って手にした多額の香港ドルの現金を人民元に両替した上で中国本土の銀行口座へ送金する手伝いをすると持ちかけられ、2人と待ち合わせをした上、コタイ地区のIR併設ホテルの一室へ向かったとのこと。ホテル客室に入ったところ、中には違法両替商の仲間とみられる別の男2人がいたが、被害者が持参した46.8万香港ドル(日本円換算:約926万円)の両替及び送金について商談を開始してまもなく、突然相手側の男4人から押し倒された上、バスローブのベルトで手足を縛られ、相手側は現金を奪って逃走。その後、自分で束縛を解き、警察へ通報するに至ったという。 通報を受けた警察の調べで、相手側は客室の外で見張りをしていた1人を含む5人組だったことのほか、強盗した現金を別のエリアにあるカジノ施設でプレイし、大半を負けて失い、残った約6万香港ドル(約119万円)を均等分けしていたことがわかり、通報から約2時間半後の27日午後5時半頃に3人をこのカジノに併設する客室内で逮捕。残る2人はすでに中国本土へ移動済みだったことも判明し、中国本土の警察当局に支援を依頼。28日未明、湖南省で2人を逮捕するとともに、およそ1万人民元(約22万円)の奪還に成功したという。 なお、マカオで逮捕した3人のうち1人は約2ヶ月のオーバーステイだったとのこと。 近年マカオでは違法両替商がカジノ施設内外で暗躍し、暴力、詐欺、窃盗、密航などさまざまな事件を引き起こしてきたことから、犯罪の温床として社会的問題化。中国本土の公安当局は今年(2024年)5月からがこれを撲滅するための包括的な作戦を展開しており、マカオ司法警察局でも積極的な協力と連携を強化して共同で対応にあたっている。