ELでリバプールが大逆転を逃した理由 遠藤航の課題は攻撃的に臨む試合への常時出場
【元気がなかったサラー】 アタランタの勝因は守備一辺倒にならなかったことだ。ボール支配率はリバプールの64%対アタランタ36%だが、アタランタの反撃には威力があった。 リバプールは攻撃そのものにも迫力を欠いた。なかでもエース、サラーに元気がなかった。決めておかなければならない決定機は前半39分と後半11分の2度訪れたが、いずれも逃し、後半22分という早い段階でベンチに下がっている。 前日、CLの準々決勝で敗れたマンチェスター・シティ、アーセナルのほうが、強そうに見えた。CLという欧州のトップリーグの準々決勝で敗れるのは仕方がない話だが、欧州2部リーグというべきELの準々決勝で、リバプールほどのビッグクラブが人口約12万人のベルガモという小都市のクラブに敗れる姿は情けなく映った。 他の3試合の結果(合計スコア)は以下の通り。 ウェストハム(1-3)レバークーゼンローマ(3-1)ミランマルセイユ(2-2、PK4-2)ベンフィカ 準決勝の組み合わせは、ローマ対レバークーゼン、マルセイユ対アタランタとなる。内訳はイタリア2、ドイツ、フランス各1となる。CLと合わせた内訳では、ドイツ3、イタリア、フランス2、スペイン1となる。 いわゆる欧州の5大リーグの現在のUEFAにおけるランキングは、1)イングランド、2)スペイン、3)イタリア、4)ドイツ、5)フランスの順だが、上位と下位の関係は来季、接近することが予想される。 今季のCL、ELに出場した日本人選手は今季、14人を数えたが、これをもってすべての選手が姿を消すことになった。 遠藤の課題は、過度に「守備の人」と言われないようにすることだろう。攻撃的に臨むケースでベンチに下がることが常態化しないことを願いたい。
杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki