【大分】宇佐市・強盗殺人事件 裁判の争点は?
大分朝日放送
大分県宇佐市で親子2人が殺害された事件の裁判員裁判は、2日判決です。 被告の男に対して求刑通りの死刑判決が出されるのか注目されています。 起訴状によりますと、大分市の会社員佐藤翔一被告(39)は2020年2月、大分県宇佐市安心院町で当時79歳の女性と当時51歳の息子を刃物のようなもので刺して殺害し、現金8万8000円を奪ったとして、強盗殺人と住居侵入の罪に問われています。 初公判が開かれたのは2024年の5月20日。 裁判員裁判としては異例の1カ月あまりにわたる審理が開かれました。 前回、12回目の裁判で検察側は「残虐極まりない犯行で人命軽視も甚だしい」として死刑を求刑しました。 一方、弁護側は「殺害を示す物的証拠がない」佐藤被告も「僕は犯人ではありません」などと一貫して無実を主張しています。 2009年に裁判員裁判が始まってから大分地裁で死刑が求刑されたのは今回が初めてで、裁判員がどういった判断をするのか注目されています。 新岡アナウンサー 注目の裁判員裁判、大きな争点は2つです。 まず1つ目はそもそもこの事件は被告による犯行なのかどうかということです。 検察側の主張は、被告の車から被害者の血の跡が見つかったこと、室内に残された靴下の足跡が被告のものと認められること、事件の翌日に被告が「逮捕される前兆」などとインターネットで検索したことなどから「これらが偶然に重なるとは考えにくい。被告が犯人と認められる」としています。 一方弁護側はプロレスマスク姿の男に頼まれて血の付いた服や靴を車に載せた。足跡の鑑定結果は信用できない。インターネットで検索したのは事件に巻き込まれたのではないかと不安になったためだ」と検察側・弁護側、両者の意見は真っ向から対立しています。 2つ目の争点は仮に有罪だった場合量刑はどうなるのかです。 検察によりますと、裁判員裁判が始まった2009年以降、1度に2人が殺害されて審理された事件は全国で9件ありました。 その9件、判決はこうなりました。 6件は死刑判決が確定。 残る3件も有罪とはなったものの被告が犯行時20歳未満だったことなどから死刑判決は出されませんでした。 検察側は今回、犯行の残虐性や被告の態度など酌量すべき事情はないとして死刑を求刑しました。 一方の弁護側はこのように主張しています。 家から被告のDNAは検出されず被告を犯人と断定できない。 殺害への関与を示す直接的な証拠はなくすべて状況証拠無罪にするべきだと訴えています。 裁判員はどちらの主張を認めるのか注目の判決は、2日午後3時から始まる予定です。