福島県棚倉町に「学びの多様化学校」 県内初 来年4月開校へ 不登校生受け入れ、教育課程柔軟に
福島県棚倉町教委は来春にも、不登校の中学生に配慮して柔軟に教育課程を展開できる「学びの多様化学校(旧不登校特例校)」を町内の高野小に設置する方針を固めた。不登校の生徒の増加傾向を受けた対応で、他町村からの受け入れも検討する。設置が実現すれば県内で初めてとなる。7日に開かれた町通年議会8月会議で湯座一平町長が明らかにした。 町教委によると、棚倉中の分教室として設け、当面は町内全域を学区とする。教育課程は学習指導要領に縛られずに編成でき、今後、詳細を詰める。生徒の心理的な負担を考慮し、年間の授業時間を減らす方向で調整している。さらに、将来の生き方や働き方を学ぶ新教科「マイキャリア」を導入する方針。 町教委は「学びの多様化学校」の指定に向け、文部科学省への申請準備を進めている。来年4月の開校を目指している。 「学びの多様化学校」は不登校経験のある児童生徒が在籍し、学習状況や学力に応じた少人数指導を行う。保護者の相談に積極的に応じるのも特徴で、全国に35校ある。
荒川文雄町教育長は「学校に子どもを合わせるだけでなく、子どもに学校を合わせることも必要だ。誰一人取り残さない学びを保障していきたい」としている。