インフレを抑制するにはかなりの「犠牲」と「時間」が必要だ
パウエル議長の講演は大きな話題を呼びました。インフレを抑制するにはどれほどの痛みが伴うのでしょうか(写真:Oleg/PIXTA)
FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長は8月26日のジャクソンホール講演で、「インフレ抑制策は痛みをもたらすが、物価の安定を取り戻せなければ、さらに大きな痛みを伴う」と述べ、インフレ抑制を最優先に金融引き締めを続けていく姿勢を鮮明にした。 パウエル議長は1970年代の経験を引き合いに出し、その教訓をもとに、インフレ期待の安定を確認できるまで、強力かつ迅速に金融引き締めを行っていくとも述べた。では1970年代の教訓とは何だったのか、あらためて詳しく見てみよう。 1950年代から長くFRB議長を務めたウィリアム・マーティン議長の後を引き継いで、1970年代にFRB議長として金融政策運営を指揮していたのはアーサー・バーンズ議長(1970年2月~1978年1月)、ウィリアム・ミラー議長(1978年3月~1979年8月)、ポール・ボルカー議長(1979年8月~1987年8月)だ。
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新見 未来