初のカトリック系首相が導く? 北アイルランド「非承認国家」としての繁栄への道
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英国残留をうたう多数派プロテスタント系による統治が100年以上前から続いてきた北アイルランドで、 アイルランド との統合を掲げる少数派カトリック系の首席大臣(首相)が初めて誕生した。地元議会で第一党となった「シン・フェイン党」の副党首 ミシェル・オニール で、画期的な出来事だと受け止められている。ただ、これを機に南北アイルランド統合に拍車がかかるかというと、そう単純にはいかないようだ。北アイルランドはむしろ、いわゆる「非承認国家」に似た存在に近づいて、英国とアイルランド双方の利点を享受するようになるのではないか。すでにその兆候は現れ始めている。 2月3日、首席大臣として活動を始めたオニールは、2人の子どもを持つ47歳の女性である。シン・フェイン党副党首だが、党首はアイルランドにいるため、北アイルランド側では名目上もトップにあたる。10代から政治活動に携わり、北アイルランド中部ダンガノンの市長などを経て2018年に副党首に就任し、2020年から2年あまりは副首席大臣を務めた。 「シン・フェイン党」はもともと、激しい武装闘争を展開してきたカトリック系組織「アイルランド共和軍」(IRA)の政治部門である。オニールの父はIRAの後継組織IRA暫定派の活動家であり、投獄もされた。叔父や従兄弟らも活動家として知られ、プロテスタント系側からオニール家は「IRA一家」と見なされる。ただ、ミシェル・オニール自身に活動経験はないという。
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国末憲人