隠ぺい疑惑の鹿児島県警「百条委」9割超が設置望む 南日本新聞LINEアンケート 「県議会が真相究明を」「膿を出し切って」 態度先送りの自民へ批判も
ともに元幹部による「トップ告発」が端緒という共通点もある。鹿児島市の70代以上男性は「一連の流れを見ると県警が隠蔽しようとした確率が高いと感じる」としたうえで、「逮捕された県警の元生活安全部長にも出席してもらい告発した真意を問えないか」と提案した。 百条委は、通常の委員会より強い権限を持ち、調査対象の関係者への出頭に加え、証拠や記録の提出を要求できる。正当な理由なき証言拒否や、うそには罰金刑や禁錮刑が科せられる。他方、今回のように裁判中の事案は「証言拒否が認められる可能性がある」(県議会事務局)。証人は初めに真実を述べる旨を宣誓することになっているが、宣誓を拒否した場合は罰則を課せない。 「それでも…」と鹿児島市の50代男性は訴える。「百条委員会を開いたという事実が大事だと思う。何より、その事実こそ、県議会が県民の期待に応える道だと考える」 ■県民として恥ずかしい 「全国的に報道されるなか、はっきりした説明の場を設けないと、県警は隠蔽体質を払拭できず、問題と向き合わない県民性だと思われる」(鹿児島市・40代女性)
「百条委を設置しないと県民全体で隠蔽に加担していると思われる」(薩摩川内市・50代女性) 「全国版のテレビでも大々的に放送され、鹿児島県民としてとても恥ずかしいです。今回の事は時間が過ぎて曖昧な結果にするのでは無く白黒はっきりさせてほしい」(鹿児島市・60代女性) 「鹿児島県議会の自民、公明党は、時代の変化や県民の意識に鈍感なのではないか? 真実を明らかにして、誰もが納得出来る結果を出さないと、県政は信頼できなくなる。それを県民は選挙で知らしめるべきである」(日置市・70代以上男性) アンケートの回答には、県警の信頼回復へ向けて県議会への期待感が色濃くにじんだ。一方で、鹿児島市の40代女性は憤りを超えた空虚さを訴えた。「強い権力を持つ組織の内部で問題を矮小化しかねず、自浄作用も期待できない今回こそ設置すべきだと思います」としたうえで、「百条委設置をすぱっと決められない県議会を見ていると、あなたたちは何のためにいるんですか? 誰のために仕事してるんですか?と歯がゆい。何だかんだ理由をつけて設置しないんだろうなと結末が見えていて、一県民としてむなしいです」と結んだ。
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