鶴岡で黒川能「玄灯の舞」
鶴岡市黒川地区に伝わる国指定重要無形民俗文化財・黒川能をろうそくの明かりの中で演じる「玄灯の舞」が24日、同市の春日神社で行われた。訪れた人はほのかな明かりに浮かび上がる能の世界に浸った。 県内外から約40人が訪れた。神事の後、6本のろうそくがともされ、舞台が柔らかなオレンジ色に包まれる中、下座が狂言「琵琶借」と能「龍田(たつた)」を披露した。観客は幻想的な舞に、じっくりと見入っていた。 約30年前から続く恒例の「黒川蝋燭(ろうそく)能」が、新型コロナウイルスなどの影響で2023年に休止。同地区で活動する農産物生産グループ「くろかわ農人(のうと)」(蛸井志門代表理事)が歴史を守り、新たな形で継承しようと昨年から行っている。蛸井代表理事(43)は「地域の文化が途絶えないよう自分たちの手で守り、子どもたちに残したい」と話した。