清岡もえが53キロ級で初V ロスへ五輪階級制す「次は自分が」 レスリング全日本選手権
レスリングの全日本選手権最終日は22日、東京・代々木第二体育館で男女4階級が行われ、女子は53キロ級で21歳の清岡もえ(育英大)が決勝で弓矢紗希(日体大)に9―0で快勝し、55キロ級を含めて3度目の優勝を果たした。 兄妹金メダルへ、一歩目を踏み出した。パリ五輪男子フリースタイル65キロ級金の清岡幸大郎の妹、もえが53キロ級で初優勝。2028年ロサンゼルス五輪で狙う階級を制し、「スタート地点に立つために、絶対に達成したい目標だった。良かった」とかみしめた。 10月に行われた非五輪階級の世界選手権で55キロ級を制した。「これからは五輪に向けて」と、今大会は五輪階級の53キロ級でエントリー。兄からの助言も力に変え、決勝は鋭い攻めで主導権を渡さず、9-0で勝利した。 圧倒的な強さで53キロ級の五輪女王に輝いた同い年の藤波朱理(あかり、日体大)の壁は高く、パリは出場を逃した。大会中は現地で57キロ級金の桜井つぐみ(育英大助手)の練習相手を務め、兄の活躍も見届けた。悔しさもあったが、身近な先輩が輝く姿に「自分も不可能じゃない」と目標がさらに鮮明になったという。 五輪後、藤波は57キロ級への階級変更を表明した。今後の53キロ級を担うだろう21歳は、「藤波選手が抜けたから、というのは関係ない。次のロスは絶対に自分が行く」と強い気持ちで4年後の夢舞台へ突き進む。(川峯千尋)