<ガンダム>海外展開、VR、「閃光のハサウェイ」第2部、ハリウッド版はどうなる? 小形Pに聞く
「アンリアル・エンジンはアニメ制作でも使用してはいるのですが、将来を見据えてしっかり映像を作ろうとしています。3DCGアニメとして『機動戦士ガンダム MS IGLOO(イグルー)』もあり、その路線と言えばそうなのかもしれません。海外に向けてリアルテイストの映像を作り、Netflixという全世界に向けたプラットフォームで配信する挑戦になります」
「銀灰の幻影」は、「Gloomy Eyes」「Battlescar」などを手掛けてきたフランスのVR制作会社Atlas Vと共同で制作する。
「それなりに尺が長い映像作品になります。ゲームのようなインタラクティブなものではなく、完全に映像を楽しむ作品になっています。キャラクタールックもかなり面白く、2D、セルルックのような感じなのですが、3DのVR空間が舞台になります。今までにないものになっているはずです。今後、VR映像の需要が高まることを視野に入れた挑戦になります」
◇富野由悠季監督の新作は?
「復讐のレクイエム」「銀灰の幻影」はいずれも挑戦的なプロジェクトだ。「50周年に向けてタッチポイントを増やしていくことが目標」といい、これまでにないガンダムの世界を表現しようとしている。
海外に向けた展開として、ハリウッド実写映画も注目されている。映画「キングコング:髑髏島の巨神」のジョーダン・ヴォート=ロバーツさんが監督を務め、バンダイナムコフィルムワークスと映画「パシフィック・リム:アップライジング」などのLEGENDARYで共同開発しているということだが、2023年は新情報が発表されなかった。
「企画は進んでいます。どうしてもバジェット含めて大きな作品なので、制作スタートするまでが長いプロジェクトでして……。走り始めるとすごい速さで走るはずです。50周年に向けてハリウッド版は重要な作品になってきます。『ONE PIECE』のハリウッド版の成功もそうですが、日本のコンテンツにとって海外展開は大きなチャンスの時期になっているはずです。昨年、フィンランドのアニメのコンペティションに参加させていただきましたが、『水星の魔女』のコスプレをしているファンの方がいらっしゃったんです。時差がなくなり、世界に向けてダイレクトに発信できる時代になっている。配信における日本のアニメの役割も大きくなっています。日本語では作ってはいますが、言語の壁を越えられる、アニメーションキャラクター映像という大きな武器を持っている。この武器をうまく使いながら、50周年に向けて展開していきたい。ガンダムの映像作品をできるだけ多くの人に触れていただくことが目的になっています」