96歳の今も創作を続けるアレックス・カッツの個展が、京都で開催中
現代美術の先駆者であり、96歳を迎えた今も絵画を描き続けるアレックス・カッツ。日本では32年ぶりとなる個展が、11月16日より京都で開催されている 【写真】アレックス・カッツの新作アート
昨年、NYグッゲンハイム美術館で大回顧展が開催されるなど、アレックス・カッツは90歳を超えた今なお世界中で数多くの回顧展や個展を精力的に行ってている。「京都は、アジア、そして日本の中でも歴史を感じる場所であり、その歴史的な場所と自身の絵画の組み合わせは”完璧なバランス”だ」と、今回の京都での個展も、カッツ自身が開催を希望し、NYのGladstone GalleryとソウルのPIBI Galleryが共同で企画・開催する運びとなった。
今回の個展の会場となった有斐斎弘道館は江戸中期、京都を代表する儒者、皆川淇園が創立した学問所で あり、美しい庭を有する数寄屋建築が今なお大切に保存されている。 「会場の候補は何カ所かあったんですが、カッツはほかの候補に見向きもしませんでした」と、PIBIGallery ヘギョン キムさん。
日本での個展は1991年以来であり、今回の個展では、新作を含む20点を展示。春夏の木々を描いた「Study」シリーズは、カッツが京都に感じた”完璧なバランス”を念頭に置き、光の記憶や視覚の瞬間、見るという感覚の記憶によって制作。季節の一瞬を捉えた光と色彩に満ちている。 床の間には、大作「Summer12」を飾るなど、歴史的建造物を活かした展示も大胆で斬新。「Study」シリーズは、畳の広間の中心にローテーブルを配し、額装なしにスタンドを使って展示。正座して作品を鑑賞すると、背景にはガラス越しに日本庭園が広がっている。
会場では「Study for Spiring 17」をイメージし、京都の和菓子店「有職菓子菓子御調進所 老松」がこしらえた生菓子と抹茶をいただくこともできる。 淡いグリーンとピンクのきんとん餡をまとった老松製の生菓子と抹茶のセット¥2,000(要予約、個数限定) ALEX KAZ KYOTO EXIHIBITION 会場:有斐斎弘道館 住所:京都市上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524-1 会期:2023年11月16日(木)~12月6日(水) 時間:12:00~17:00(最終入館16:30) 入館は事前予約制となります。 TEXT BY JUNKO AMANO