『闇バイト』解決の切り札に…『JPドラゴン』大幹部・小山智広容疑者逮捕の裏にある「警視庁の狙い」
11月19日、一人の男が日本へと移送された。 警視庁は窃盗の容疑で、フィリピンを拠点とする『JPドラゴン』というグループの幹部・小山智広容疑者(50)を逮捕した。小山容疑者はこの日、フィリピンから日本へ強制送還されていた。 【画像】カメラを睨みつけて…! ルフィグループとの関与が疑われる小山智広容疑者「戦慄の素顔写真」 「逮捕容疑の窃盗事件が発生したのは’19年4月。警察官を名乗り、東京都内の50代女性に電話をかけて口座の不正利用などの話を出し、女性からキャッシュカード8枚を受け取り、そこから70万円を引き出した疑いが持たれています。 さらに、小山容疑者が実質的なナンバー3を務めていた『JPドラゴン』は現地で特殊詐欺や強盗事件を繰り返していました。グループの歴史は古く、トップを務める男は30年以上にわたりフィリピンで活動する裏社会の重鎮です。小山容疑者も幹部として、’23年に起きた一連の『ルフィ事件』の際には、逮捕された指示役・今村磨人被告と留置施設内でテレビ電話を行い、口封じを図ったことが確認されているなど、余罪の可能性が指摘されています」(捜査関係者) ◆現場の“かけ子”から大幹部へ ルフィグループは『JPドラゴン』へ“上納金”を支払っていたと言われており、以前からその関係性が指摘されてきた。フィリピンの捜査関係者は、小山容疑者の素性についてこう語る。 「小山はもともと、『JPドラゴン』とは別のグループで、詐欺電話の“かけ子”として有名でした。しかし’19年にフィリピンで特殊詐欺グループの大規模摘発があった頃に『JPドラゴン』に移籍。その後もかけ子を続けて、ナンバー3にまで上り詰めました。ガタイこそ大きいですが腕力ではなく頭がキレるタイプ。当時からしゃべりは抜群にうまかったです」 今回の窃盗容疑について小山容疑者の認否は明らかになっていない。日本へ到着後、小山容疑者は渋谷署へ入った。現場にいた本誌カメラマンがカメラを向けると、冒頭の写真のように顔を伏せ、その表情を窺い知ることはできなかった。 今後、捜査はどのように展開されていくのか。前出の捜査関係者は「このタイミングで強制送還した裏には続発する『闇バイト』の解決の糸口を掴みたい狙いがある」と見る。 「今回、小山容疑者以外に主にカンボジアで特殊詐欺を行っていた2人の容疑者も同時に移送されています。警察としては、夏場から続く『闇バイト』について、ルフィ事件などと同様にフィリピンやカンボジアの犯罪グループが指示役となっている可能性を検討している。フィリピンにはいまだにルフィの残党が十数名程度いるとされ、『JPドラゴン』も影響力を維持したままだと聞きます。幹部である小山容疑者らから、その端緒を掴みたいというのが本当の狙いでしょう」 警視庁の発表によると、関東で相次ぐ闇バイト関連の事件は、11月4日時点で23件に上り、このうち15件で男女39人が逮捕されているが、新たな事件が後を絶たない。これ以上被害者を増やさないためにも、早急な全容解明が求められている。
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