中田英寿の振る舞い「まさにプロ」…共闘の元ブラジル代表が感嘆、将来は「日本で監督したい」【現地発】
選手としても中田氏は「完璧だった」 将来は日本行きも視野「日本は成長している」
――サッカー選手としての中田氏の評価は? 「ヒデはフィジカルも技術もとても優れていた。完璧な選手だった。セルフケアが凄かったね。食べ物にもよく気をつけて、とても強い身体を作っていた。日本人は訓練の行き届いた規律に従う生活習慣を持っているが、ヒデもそうだった」 ――イタリアサッカーは当時世界一と言われていたが、現在の状況をどう見ていますか? 「当時は美しいサッカーの時代だった。僕はレアル・マドリードに行く可能性もあったが、イタリアのチームからオファーが来たら、ノーと答えるのは難しかった。ACミラン、インテル、ユベントス、ASローマ、ラツィオ、パルマ、フィオレンティーナ……セリエAには素晴らしい選手が揃っていた。今ではイギリスやスペイン、ドイツも強くなった。当時イタリアはすごく強かったし、技術水準も高かった。今、イタリアのサッカーはアスリート的な側面で強くなっている。サッカー自体が当時とは違うけど、ヒデがいたペルージャは強かった。ミラン・ラパイッチ(元クロアチア代表MF)、マルコ・マテラッツィ(元イタリア代表DF)などビッグプレーヤーもいたからね」 ――今、あなたはパルマのユース部門で技術スタッフとして貢献しているが、今後の抱負は? 「まずはパルマのAチームの監督になりたいし、将来は日本で監督をしたい。日本のサッカーは向上している。日本代表もとても強くなった。日本サッカーのクオリティーを視野に入れなかったことはない。当時に比べて、日本のサッカーはすごく成長していると思う」 [著者プロフィール] 倉石千種(くらいし・ちぐさ)/1990年よりイタリア在住。1998年に中田英寿がペルージャに移籍した時からセリエAやイタリア代表、W杯、CLをはじめ、中村俊輔、本田圭佑、長友佑都、吉田麻也、冨安健洋など日本人選手も取材。バッジョ、デル・ピエロ、トッティ、インザーギ、カカ、シェフチェンコなどビッグプレーヤーのインタビューも数多く手掛ける。サッカーのほか、水泳、スケート、テニスなど幅広く取材し、俳優ジョルジョ・アルベルタッツィ、女優イザベル・ユペール、監督ジュゼッペ・トルナトーレのインタビューも行った。
倉石千種 / Chigusa Kuraishi