「焼とりの八兵衛」海外に90店構想「世界の市場がすごい勢いで拡大」…鳥貴族と協力、アジアを想定
福岡市を中心に焼き鳥店「焼とりの八兵衛」を展開する「ハチベイ クルー」(福岡県糸島市)と、全国チェーンの焼き鳥店「鳥貴族」を運営するエターナルホスピタリティグループ(大阪市)は20日、海外に今後5年間で「八兵衛」ブランドの店舗を90店出す構想を明らかにした。両社は5月に資本・業務提携で合意しており、協業して海外需要の取り込みを図る。 【グラフ】日本の「食」が海外で広がっている
ハチベイの八島且典社長とエターナルの大倉忠司社長が20日、福岡市で記者会見した。出店は韓国や台湾、タイなど主にアジアを想定しているといい、八島氏は「店舗運営などに強みを持つエターナル社とともに、焼き鳥の楽しさを世界に広めていきたい」と力を込めた。国内でも両社で協力して10店程度を出店する。
両社が共同で海外展開に挑むのは、「世界の焼き鳥市場がすごい勢いで拡大している」(八島氏)ためだ。エターナルによると、健康志向の高まりで、鶏肉が主体の焼き鳥が海外の消費者に受け入れられていることなどが背景にある。
ハチベイは現在、国内8店のほかに米ハワイやベトナムなど海外に5店舗を出しており、コロナ禍からの外食需要の回復でさらなる拡大を検討していた。一方、国内展開が中心のエターナルも海外進出の本格化を検討しており、もともと親交があった八島氏に提携を呼びかけたという。
大倉氏は会見で、「鳥貴族の業態だけでは国・地域によって異なる価格などのニーズに応えられないが、ハチベイと手を組むことで対応できる」と自信を見せた。
「日本食」人気で一風堂など進出
海外での「日本食」人気を踏まえ、事業の拡大に踏み切る九州の外食チェーンはほかにもある。
博多ラーメン店「一風堂」を展開する力の源ホールディングス(HD)は国内外全287店のうち海外がほぼ半数に上っており、今後は海外の出店ペースを年20~30店に引き上げて収益拡大を目指す。ロイヤルHDも、すしチェーンの銚子丸(千葉市)や大手商社の双日とともに、米国ですしが中心の新業態店を設ける計画だ。
国内の市場は人口減で縮小が避けられず、海外需要を狙う動きは一段と加速しそうだ。