「余震が続き不安で仕方ない」 金沢市に住む沖縄出身者、一睡もできず 能登半島地震
「経験したことのない揺れ」「怖い」。甚大な被害をもたらした能登半島地震。金沢市に住む沖縄出身者2人が2日、沖縄タイムスの取材に緊迫した状況を語った。 南部農林高校卒で金沢学院大学に通う知念育利(いくり)さん(21)は地震のあった元日の夜、一睡もできずに朝を迎えた。「余震が続き不安で仕方ない。また強い揺れが来たら」と切迫した様子だった。 石川県内で震度7の揺れが襲った時、寮にいた知念さんは「テレビが倒れないようとっさに手で押さえた」。食器棚から食器が落ち、たんすが開いて物が飛び出した。揺れが落ち着くと近くの指定避難所へ向かった。夕方、食料を買うためコンビニに行くと、既に品薄状態。残りわずかとなったパンと即席麺を購入し、大学仲間の自宅でレトルトカレーを食べ帰宅した。 2日午後現在、金沢市内は生活インフラに大きな影響はないが、スーパーの棚はがらがら。「経験したことのない揺れで睡眠不足です」と疲れ気味だった。 同市の学童クラブスタッフの川上直樹さん(43)=沖縄市出身=は地震発生時、自宅にいた。「1分ほど横揺れが続いた」と驚く。家族5人にけががなかったのが救いだ。 学童クラブを運営する社会福祉法人は、輪島市など被害が大きい地域でも福祉施設を営む。川上さんは「すぐにでも応援に行きたいが、幹線道路が寸断されている。もどかしい」と葛藤する。「石川県には沖縄好きの人が多く、首里城火災では多くの方に復興支援をしてもらった。沖縄出身者の一人として少しでも恩返しがしたい」と語った。 (社会部・城間陽介、南部報道部・国吉聡志)