若元春vs若隆景に歓声 福島市で大相撲夏巡業「福島場所」 ファン3千人超、熱く土俵見守る
大相撲夏巡業の福島場所は22日、福島市の福島トヨタクラウンアリーナ(市国体記念体育館)で開かれ、同市出身の「大波3兄弟」の次男若元春(30)=本名・大波港=、三男若隆景(29)=同・大波渥=が古里で初となる兄弟対決を繰り広げた。先場所で十両優勝を飾った白熊(25)=同・高橋優太、須賀川市出身=も力強い取組を見せた。3150人が来場し、郷土力士に熱い声援を送った。 兄弟対決は番外取組として組まれた。同じ荒汐部屋所属のため、本場所では優勝決定戦でしか実現しない顔合わせで、通算で3回目の対決となった。若隆景が立ち合いを制し、両手でまわしを取って優位に取組を進めた。若元春も再三の投げに耐えたものの、最後は若隆景が土俵外に豪快につり出した。 続く幕内取組では若隆景は宇良、若元春は小結・平戸海をともに寄り切って勝利した。若隆景は「本場所同様、一生懸命相撲を取る姿を見せられた」、若元春は「育った場所で、成長した姿を地元の人たちに見せられてうれしい」と感慨に浸った。
7月の名古屋場所で初の十両優勝を果たした白熊は元大関・正代を上手投げで下した。秋場所(9月8日初日・両国国技館)の新入幕を確実としており、「考えすぎず、一番一番挑戦者の気持ちで相撲を取る」と抱負を語った。 取組に先立ち、若元春、若隆景、白熊と来場者の交流イベントが開かれ、3力士が質問に答えた。若元春は親交の深い関脇・阿炎の求めに応じて自慢の歌声を披露する一幕もあり、場内を沸かせた。握手を願い出て、応じてもらった郡山市の川口颯雅(りゅうが)さん(10)=安積三小5年=は「大ファンの若元春関と握手できてうれしい。手が大きくてかっこよかった」と笑顔を見せた。 福島場所は福島テレビの主催、福島民報社などの特別協力。横綱・照ノ富士も参加し、土俵入りを披露した。