映画『OUT』JO1の與那城奨、大平祥生、金城碧海にインタビュー──実写映画初出演への思いを語る
累計発行部数650万部を突破するヤンキー漫画『OUT』が、「品川庄司」の品川ヒロシによって実写映画化。11月17日(金)に公開された。若手の人気俳優陣に加えて映画に参戦したのは、今最も勢いのあるグローバルボーイズグループ、JO1の與那城奨、大平祥生、金城碧海の3人。彼らに、作品にかける思いについてインタビューした。 【写真を見る】3人のカッコいい写真と映画の見どころをチェック!(全14枚)
お笑いコンビ「品川庄司」の品川ヒロシの自伝小説を、品川自らがメガホンを取って映画化した『ドロップ』(2009年)。興行収入20億円のヒットを記録したこの作品の後日談を描いたのが、『OUT』だ。この度、同じく品川の監督・脚本によって実写映画化された。 少年院から出所した伝説の不良・井口達也(倉悠貴)は、地元から遠く離れた、叔父と叔母が営む焼き肉店に預けられる。保護観察中のため、次にケンカをすれば一発“アウト”だ。井口はケンカのできない日々に悶々としていたが、ある日、暴走族「斬人(キリヒト)」で副総長を務める安倍要(⽔上恒司)と出会う。次第に暴走族同士の抗争に巻き込まれていく井口だが、家族や新しい仲間たちといった「守るべきもの」ができた今、その闘い方にも変化が現れる──。 倉悠貴や醍醐虎汰朗、水上恒司ら人気の若手俳優たちに加えてキャスティングされたのは、今最も勢いのあるグローバルボーイズグループ、JO1の3人のメンバー。暴走族「斬人」の特攻隊長の長嶋圭吾役にリーダーの與那城奨、親衛隊長・目黒修也役に⼤平祥⽣、期待のルーキー・沢村良役に⾦城碧海が抜擢された。彼らに、作品にかける思いについてインタビューした。 ■初めての映画出演 ──『OUT』は、ストーリーは潔いほどに王道のヤンキー映画ですが、ディテールへのこだわりが強く、最初から最後まで目が離せませんでした。 與那城:ありがとうございます。ヤンキー映画は本当にたくさんありますが、特にユーモアあふれるシーンが多いところは、品川監督らしい部分だと思います。セリフの掛け合いやストーリーのテンポ感をとても大事にされていました。撮影もクリエイティブで、脚本にどんどん新しいアイデアや演出が追加されていく。映画の撮影は初めてですごく緊張しましたが、何もかもが新鮮で、とにかく楽しくやらせていただきました。 金城:品川さんからは、あまり演技についての要求をされなかったですね。「大丈夫かな」と不安に思うこともあったのですが、信頼して任せてくれている感じもして、それが嬉しかったです。前作からの息の合ったチーム体制のなかで、安心して演技させてもらいました。 ──金城さんは、ドラマ『ドロップ』(WOWOW、2023年)に続き、2回目の品川組への参加ですね。 金城:そうなんです。前回は敵役でしたが、今回は主要メンバーの一員として迎えていただきました。スタッフさんから「ひさしぶりだね」「おかえり」と温かい言葉をかけてもらった時は、すごく嬉しかったです。 ■ヤンキーになりきって ──普段のスタイリッシュなJO1のイメージからは想像できませんが、衣装の特攻服やヤンキーらしいヘアメイクも、皆さん見事にハマっていました。 與那城:僕が演じた長嶋圭吾は、木刀一本で相手を倒す、武術の達人という設定です。ちょっと古風で言葉数も少ないけれど、やる時は先陣を切って動く頼れる男で、すごく魅力的なキャラだと思います。話の間(ま)の雰囲気とかは、自分と似ているかも。 金城:独特な自分のペースがある感じが、奨くんにめっちゃハマってたよね。 與那城:でも、髪型にはもちろん戸惑いましたよ(笑)。「本当にこれで行くんですか!?」って。後ろや襟足はエクステを足していますが、前は全部地毛です。 ──ファンの中では天使のイメージがある大平さんは、お三方の中でも、最も役とのギャップが大きかったのでは? 大平:僕も本当にそう思います(笑)。目黒修也は、クールで冷静で常にブレない男。格闘技自体も目黒のキャラも、普段の僕からは遠くかけ離れています。でも例えば、原作の目黒は帽子をかぶっていないけれど、現場で「かぶった方が目黒っぽいね」と話し合って帽子を追加してもらったり、目黒はコンプレックスがある目を隠している設定なので、僕も意見を出しながら眼鏡を選んだりしている。スタッフさんたちと一緒に、自分を役に近づけていった感じです。 金城:僕は2人の役より後輩の、沢村良を演じました。最初は控えめですが、後半にかけてキーパーソンにもなる役どころです。前後での切り替えがちょっと難しくて、演じ分けられるのか不安もありましたが、自分なりに精一杯演じられたし、沢村のキャラに溶け込んでいけてほっとしました。 ■果敢にアクションに挑戦する ──アクションシーンが本当に多く、闘い方もキャラクターごとにさまざまな特徴がありました。皆さんの身体能力の高さや、普段の鍛錬の成果が存分に発揮されたのではないかと思います。 與那城:たぶん、動きのバリエーションは僕がいちばん幅広かったと思います。長嶋は木刀使いですが、古武道や殴り合いもやって、刃物での攻撃にも立ち向かう。木刀の扱い方など、覚えることが多くて、想像以上に大変に感じました。でも、すごくいい経験になった。体のいろいろな部分を動かして表現する面白さを知ったし、もっとこうしたい、ああしたいという欲が出てきました。今後、またアクションを活かせる役に挑戦したいですね。 金城:僕は、普段以上に動けるように身体を仕上げていきました。空手や格闘技にも長年親しみがあるから、アクションに関しては難なくできたかなと自負しています(笑)。 大平:僕は碧海とは正反対で、本当に格闘技初挑戦だったんです。目黒が得意とするのは、スピードがあるボクシングスタイルの戦闘です。普段も格闘技を観ないから、イメージさえわからない状態からのスタートで……。 與那城:でも祥生も、最後は振り切れていたよね(笑)。 大平:ちょっと語弊があるけれど、最後には「殴るの楽しい!」って(笑)。人を殴るなんて、当然、最初は怖くてしかたなかったんですよ。でも、基本動作から先生や2人に教えてもらって、ボクシングの感覚をつかんでからは、アクションを楽しめるようになりました。ボクシングは今後も続けていきたいかも。 ──自動車を使ったアクションシーンは特に迫力がありました。 大平:あれはマジで怖かったです! 與那城:「合図で避けてください」と言われても、本番になると結構なスピードが出ていて怖かったですね。 大平:「Tiger」のMVで軽くドリフトしている車に乗ったことがあったけど、こういうスタントっぽいシーンは、たぶん初めての経験でしたね。他にも怖かったのは、僕がコンテナの上にいる人を引きずり下ろして床にぶん投げて、バーンとガラスを割って地面に叩きつけるシーン……。 與那城:役柄だけど、なんだかんだ祥生も、結構ひどいことやってるね(笑)。 金城:僕は奨くんが敵と殴り合いで戦闘するシーンが印象的でした。顔面すれすれに本気のパンチが何回も飛んできて、素直にすげえなと思って見ていました。2人とも体格が大きいから、迫力もヤバかった。 ■主題歌も自分たちで ──JO1は音楽活動も依然活発ですね。夏から現在もツアーを継続中で、11月からは日本を飛び出し、アジアでも公演されます。そして映画の主題歌に、新曲「HIDEOUT」が決まったと聞きました(編注:取材は8月初旬に行われた)。 與那城:決まった時は、めちゃくちゃ嬉しかったですね。初出演の映画で主題歌も歌わせてもらえるなんて、やっぱり特別な気持ちです。 大平:じつは明日がレコーディングなんですよ。それがすごく楽しみです。映画のエンディングにぴったりの、めっちゃオシャレな曲で気に入っています。 ──硬派なヤンキー映画のイメージではなく、“オシャレ”なんですか!? 金城:ヤンキー映画ですし、アクションも多いから、バキバキの激しい曲調かな、と思うじゃないですか? でも、すごく明るく前向きな応援ソングです。そちらもぜひ楽しみにしていてください。映画も本当にいっぱい見てもらいたいです! 大平:本当にどのシーンも見どころ満載です。 與那城:アクションもユーモアも、友情やちょっとウルッとくるシーンも。とにかく盛りだくさんの映画になっています。ぜひ、ご覧ください! ------------- 【お知らせ】 アザーカットを、Instagramに近日投稿予定! @gqjapan をフォローしてお待ち下さい。お楽しみに! GQ JAPAN公式Instagramアカウント:https://www.instagram.com/gqjapan/ -------------- 『OUT』 11月17日(金)全国劇場公開! 配給:KADOKAWA ©2023『OUT』 製作委員会 公式ホームページ:https://movies.kadokawa.co.jp/out-movie/ 與那城 奨(よなしろ しょう) 1995年10月25日生まれ、沖縄県出身。2019年に社会現象を起こした日本最大級のオーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN」で、選ばれたグローバルボーイズグループ・JO1のリーダーを務める。連続ドラマW『フェンス』(23)にてドラマ初出演。 大平祥生(おおひら しょうせい) 2000年4月13日生まれ、京都府出身。JO1のメンバー。映画『えんとつ町のプぺル』(20)にて初の声優出演を果たし、22年にはアニメ『群青のファンファーレ』で東将基役の声を担当する。 金城碧海(きんじょう すかい) 2000年5月6日生まれ、大阪府出身。JO1のメンバー。品川ヒロシ監督「ドロップ」(23)にて連続ドラマ初出演を果たす。格闘技経験から並外れた身体能力を発揮し、実写映画初出演の本作では圧巻のアクションを披露している。 取材と文・贄川 雪、写真・ホシダテッペイ、編集・横山芙美(GQ)