熊本大病院が「肥満症治療センター」設立 内科、外科の包括的な医療提供へ
熊本大は8日、熊本市中央区の熊本大病院に「肥満症治療センター」を設立したと発表した。複数の診療科が連携して肥満症の患者に内科、外科の包括的な医療を提供し、健康と生活の質向上を目指す。 センターは昨年11月、医師や看護師ら13人体制で発足した。食事や運動療法に加えて内科、外科的な治療に対応する。胃の容積を小さくして体重を減らすなどの手術を2025年度中に始められるよう、準備を進めている。センター設立に先駆け、昨年6月に肥満症外来を開設していた。 厚生労働省によると、熊本県では21年度に特定健診を受けた人で、肥満症と関連がある糖尿病・糖尿病予備群の割合が男性26・75%、女性21・83%と、ともに全国で最も高かった。メタボリック症候群の割合も男性が3番目、女性が6番目に高かった。一方で、肥満症の外科手術を受けられる病院は県内にない。 肥満症は、昨年2月に治療薬「ウゴービ」が保険適用になったほか、国内では外科手術も増えている。
センター長に就任した熊本大大学院生命科学研究部の窪田直人教授は「重度の肥満になると日常生活にも支障が出る。さまざまな治療を効果的に組み合わせることで、患者の生活の質を向上させたい」と話した。(園田琢磨)