『あの人が消えた』高橋文哉×田中圭、曲者ぞろいのマンションに隠された秘密とは……
Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね【第1205回】 シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。 【写真13枚】『あの人が消えた』高橋文哉×田中圭、曲者ぞろいのマンションに隠された秘密とは…… ほか 今回は、現在公開中の『あの人が消えた』と『ぼくのお日さま』をご紹介します。
『あの人が消えた』このマンションの住人たち、怪しすぎる!
気鋭のクリエイター水野格が完全オリジナル脚本で挑んだ劇場長編作品『あの人が消えた』。怪しげな人々が住む、とあるマンション。彼らの秘密を知ってしまった配達員は、思いもよらぬ事件に巻き込まれていく。 先読み不可能なミステリー・エンタテインメントが誕生しました。
『あの人が消えた』のあらすじ
次々と人が消える。 そんないかがわしい噂が立つマンションの担当になった、配達員の丸子。 その住人に日々、荷物を届けているうちに、その中のひとりである小宮が、自身が愛読しているweb小説の作者であることに気づく。しかしその一方で、彼女がストーカー被害に遭っているという疑惑が浮上。 丸子は同じ運送会社で働く先輩で、小説家志望の荒川の協力を仰ぎながら、ほかの住人たちに聞き込みを開始するが……。
『あの人が消えた』のみどころ
主人公・丸子を演じたのは、人気急上昇中の俳優、高橋文哉。慣れない配達員の仕事にも真面目に取り組む、正義感にあふれる実直な青年を好演しています。 そして丸子の先輩・荒川役は、田中圭。面倒見の良い頼れる兄貴のような存在でありながら、ちょっぴりコミカルな一面もある役どころ。高橋文哉との息の合ったコンビぶりは必見です。 共演には北香那、坂井真紀、袴田吉彦、染谷将太、さらに菊地凛子といった演技巧者たちがズラリ。ちょっぴりクセが強めなキャラクターを見事に体現しているのも大きな見どころですよ。
コロナ禍のステイホーム期間、宅配を利用する機会が増えたことから本作の着想を得たという水野格監督。ふと考えてみれば、自分が住むマンションの隣人がどんな人なのか知らない……という人も、都会では少なくないかもしれません。そうなると、集合住宅に住む人々のことをいちばん把握しているのは、各々に届いた荷物を運ぶ運送会社の配達員!? そんな社会的背景が作品の根底に宿っていて、ストーリーをよりリアルに感じられる人も多いのではないでしょうか。緻密に張り巡らされた伏線を解き明かした、その先にある衝撃とは。 タイトルにある「あの人」は一体誰なのかを想像しながら楽しんで。