選手の“引き際”は難しい。そこに正解はないが、やめ方は一生ついて回る【張本勲の喝!!】
雇ってくれる球団があればやれるだけやればいい
阿部はやれるだけのことをやり切った立派な引退だった
プロ野球選手の引き際というのは難しい。今年も巨人の阿部慎之助をはじめ、多くの選手がユニフォームを脱いだ。シーズン途中には巨人の上原浩治も引退を決断している。 本人がどう思っているかは分からないが、阿部はやれるだけのことをやり切ったのではないか。今季も打率.297を打ち、日本シリーズでもホームランを打っていたから「まだできるのではないか」という声もあったが、度重なるケガに悩まされており、いっぱいいっぱいだったことも事実だ。いいときにやめたと思うし、二軍監督という次の大きな仕事も待っている。立派な引退だった。 上原が引退会見で流した涙も“いい涙”だった。シーズン途中で自分の力がもう通用しないと悟り、覚悟を決めた。一本気な上原らしい、潔いやめ方だった。 だが、引き際に正解はない。選手というのはどんなに成績が悪くとも、ある程度の給料で雇ってくれる球団がある限りはやりたいと思うものだが、雇ってくれる球団があっても、やり切った、燃え尽きた、このへんでいいだろうと自らユニフォームを脱ぐ選手もいる。 このオフも中日を退団して古巣・西武への復帰が決まった松坂大輔、阪神から引退勧告を受けた鳥谷敬の去就に注目が集まった。私の本心を言えば、2人とも・・・
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週刊ベースボール