天心ダウン場面がCM突入で映らず非難、苦情殺到のフジRIZIN生放送不手際はなぜ起きたのか?
RIZINは視聴率で苦戦している。ボクシングの6階級王者、マニー・パッキャオを呼び、その推薦選手と天心との対戦がメインだった4月の前回大会は、5.8%。榊原実行委員長曰く「裏番組の環境に厳しいレギュラーが並んではいるが、誇れる視聴率じゃない」という。確かに裏番組には「ポツンと一軒家」や「行列のできる法律相談所」のスペシャルなど2桁確実の人気番組があった。 だが、同じくフジテレビが5月19日に放映したボクシングのWBA、IBF世界バンタム級王者、井上尚弥(26、大橋)が英国グラスゴーで衝撃TKO劇を演じたWBSSの準決勝は、試合後、12時間以上も経過した後の録画放映にもかかわらず10%を突破した。「井上もかつては(視聴率を)取れなかった」と榊原実行委員長は言うが、同じ格闘番組として視聴率挽回に向けての焦りがある。 「会場のファンとは違う目線で、お茶の間の視聴者のハートを釘付けにするための答えを見つけられていない。試行錯誤をしている。まだまだお茶の間にチャレンジできるはず」(榊原実行委員長)との理由で、今回、初めて3試合の生中継を断行、試合直後の天心を放送席に呼び、生解説させる試みも行われたが、そのチャレンジも空転。まさかの逆効果となってしまった。 そもそも3分×5ラウンドルールの天心の試合で、いくらアクシデントがあったとは言えラウンド間のインターバル以外にCMを入れるという約束事があったこと事態が間違っていたのだろう。 榊原実行委員長は「まだオンエアを見ていないので、これから確認をしてフジテレビと話をしていきたい。このことは地上波のスポーツ中継での命題だが、誰が(CMを入れるタイミングの)判断をするのかなどの問題はある。例えば、放送の前半にCMを集中させて試合中はなるべく流さない(ノーカット放映)などのよりよい対策をしていく」と主催者の代表としてフジテレビ側との連携を深め、放送不手際を繰り返さないことを約束した。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)