「ミヤネ屋」紀藤弁護士発言は”名誉毀損”とする統一教会の訴えが棄却 「スラップ訴訟」はマスメディアを“萎縮”させるのか
スラップ訴訟は「表現の自由」「報道の自由」を妨げる
紀藤弁護士は、スラップ訴訟が表現の自由や報道の自由に与える悪影響についても解説した。 「メディアで100回発信すれば、そのうち1回に“言い過ぎ”や“書き過ぎ”が含まれる、ということもある。しかし、1回の“言い過ぎ”を標的にして訴訟を起こしたところで、残り99回の発信が真実でなくなるわけではない」(紀藤弁護士の発言の要約) 近年の新聞やテレビなどのマスメディアはスラップ訴訟に萎縮して、事実だけを端的に報じる「事実報道」に終始しており、ニュースや事件の背景にまで切り込みメディア側の意見を積極的に提示する「評価報道」を行うことに尻込みしている、という問題も紀藤弁護士は指摘。 統一教会に関する問題だけでなく、ジャニー喜多川氏による性加害問題が昨年まで見過ごされてきた背景にもマスメディアの「萎縮」があるのではないか、と紀藤弁護士は語った。 「一審判決はあくまでも一里塚、道程のひとつ。これから控訴審、最高裁も想定されるので、気を抜かずにがんばっていきたい。一番重要なのは、メディアがこういう判決を受けて、統一協会に萎縮しなくなること。メディアの報道は、被害者を救済するための重要な柱となる」(紀藤弁護士)
弁護士JP編集部