箱詰めされた輸出用のモモ

　長野県松川町の「信州松川くだもの観光協会桃部会」（大場俊文部会長）はこの夏、初めて海外にモモ（あかつき）を輸出する。八十二銀行の子会社で、地域商社事業などを手掛ける「八十二Link Nagano」（長野市）を通じ、香港のスーパーで贈答用、個人消費用として販売される。 　五つの観光農園でつくる同部会は、町内産モモの品質を海外の人たちに知ってもらうことで販路の拡大を図ろうと輸出を検討。販路の確保が新規就農者にとって大きな課題となっていることから、新規就農者の所得向上をサポートする狙いもある。 　7月31日、元大島のまるもと農園で、集荷と箱詰め作業が行われた。品種は「あかつき」で、約100キロを輸出する。今年の輸出は今回のみだが、同社商社事業部の松江友幸課長は「現地での反応を見ながら、来年度以降の輸出を検討していきたい。今週末には香港の店頭に並ぶ予定。生産者の皆さんに反響をフィードバックしていきたい」と話した。 　現地での販売促進に向けては、町の観光地域づくり法人「南信州まつかわ観光まちづくりセンター」が協力。松川町や町産モモを中国語で紹介するリーフレットなどを制作し、箱詰めしたモモに添えた。 　大場部会長（59）は「輸出は初めてなので、海外の人の反応が楽しみ。他のくだものを含め、海外での販路拡大や、インバウンドを呼び込むきっかけになることを期待したい」と話していた。