中国で人気が高まるAIロボットペット
【東方新報】人工知能(AI)技術の急速な発展に後押しされ、多くの企業がAIコンパニオン分野の大きなビジネスチャンスに注目している。愛らしい外見のAIロボットペットが中国の消費者の間で人気が高まっているためだ。 AI技術のファンで北京在住の20代の女子学生・ジャンさん(仮名)は「杭州の杭州簡墨科技(Genmoor Technology)が開発したAIロボットペット『Boo Boo』を買いました。大学の課題でAIロボットのことを調べている時に初めてこの製品を知り、好奇心で購入を決めました。特に、その愛らしいふわふわの見た目と、私の飼っている犬と同じような毛の色が決め手となりました」と話す。 この「Boo Boo」は、現在、中国のeコマースプラットフォーム「淘宝(タオバオ、Taobao)」にて1399元(約2万8909円)で販売されている。商品ページの説明には「100パーセントの高評価で3か月間に300体以上販売した」と書かれている。タイバオによると、数週間前に売り切れとなり、今やっと再入荷したとのことだ。 「Boo Boo」は、飼い主とのやりとりによってさまざまな感情を表現し、ペットらしい鳴き声も出せるという。 ジャンさんはAIペットの利点として、餌や虫下し、毎日の散歩に余分な費用や時間をかけずに済むことを挙げる。しかし柔軟なやりとりや真の友情を抱くことは、本物の犬や猫と比べれば、やはり欠けるものがあると指摘している。 日本の企業「カシオ(Casio)」と日本発のハードウェアベンチャー企業「ヴァンガード・インダストリーズ(Vanguard Industries)」が2021年に共同開発したAIペット「モフリン(Moflin)」は、2024年11月7日に発売開始となった。報道によると、発売後、日本各地で品切れが続出するほどの人気商品となっているという。 中国の国内市場では、中国のテクノロジー企業「蔚藍科技(WEILAN)」が開発した四足歩行ロボットシリーズ「ベビーアルファ(BabyAlpha)」が、同社の公式ウェブサイトで、「AI人格」、学習能力、遠隔操作、自動的巡回パトロールなどの多機能性を重視していると強調している。 「広州艾媒数聚信息(iiMedia Research)」の張毅(Zhang Yi)CEOは「AI技術を人への情緒的なサポートやコンパニオンロボットに応用すれば、より多くのビジネスチャンスが生まれます。あらゆる年齢層がターゲットユーザーになり、しかもその能力はユーザーが潜在的に持っている身体的・精神的な健康問題を検出する能力までも含んでいます」と指摘している。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。