トルドー加首相、来年早期に政権崩壊の危機
David Ljunggren [オタワ 23日 ロイター] - カナダのトルドー首相は、来年早期に政権が崩壊する危機に瀕している。与党自由党の議員らはトルドー氏に退陣し、誰かに政権を任せるよう圧力をかけている。 フリーランド財務相が先週、支出を巡ってトルドー氏と対立して辞任。その後、全ての野党が議会で少数派となっている自由党政権を崩壊させるために団結すると発言した。 トルドー氏が辞任し、自由党が後任を選ぶ時間があればフリーランド氏、ジョリー外相、シャンパーニュ革新相、カーニー元カナダ中央銀行総裁らが候補に挙がるとみられている。 カナダ放送協会(CBC)によると、カナダ10州で人口が最も多く、自由党の主要な支持基盤となっているオンタリオ州の50人を超える自由党国会議員が21日に電話会談を実施し、トルドー氏を退陣させる必要性で同意した。 しかし、トルドー氏はすぐに辞めるつもりはないようだ。カナダ紙グローブ・アンド・メールは自由党関係者の話として、トルドー氏はクリスマスを家族と過ごした後、西部ブリティッシュ・コロンビア州でスキー休暇を取得する予定だと報じた。 自由党関係者はロイターに対して先週、トルドー氏がクリスマスから新年にかけて自身の将来について熟考すると語った。 トルドー氏には、来年3月に出される見通しの内閣不信任案が可決されるまで留任するか、1月に退陣して自由党が暫定党首を指名するか、現在の議会会期の終了後に自由党が新党首を選んで総選挙に備える時間を稼ぐといった選択肢がある。 物価高や住宅問題に対する有権者の不満を背景に、9年間超にわたって政権を握ってきた自由党は次の総選挙で政権の座を明け渡す危機に直面している。 トランプ米次期政権がカナダからの輸入品に25%の関税を課すと公約しているのを受け、野党は安定した政権を誕生させるために総選挙が必要だと訴えている。 世論調査によると、総選挙では中道右派の野党の保守党の議席が自由党を大きく上回る見通しだ。