愛する我が子へ…遠方に住む父、急逝。死に目に会えなかったひとり娘、遺された「年間110万円」の贈与に涙も…数年後に知る「仰天事実」【税務調査の実態】
我が子の将来のため、子供名義の口座にコツコツ貯金をしている人は多いでしょう。年間110万円ずつの預金など、相続税対策を行っている人も少なくありません。しかし、その相続対策は本当に正しいものでしょうか? 税務署はそんな親が子供のために行う預金にも目を光らせています。本記事では、Aさんの事例とともに、名義預金の注意点について、税理士事務所エールパートナーの木戸真智子税理士が解説します。 都道府県「遺産相続事件率」ランキング…10万世帯当たり事件件数<司法統計年報家事事件編(令和3年度)>
離れて暮らす父、急逝
35歳になるAさん(女性)は、東京で会社員として忙しく過ごしていました。大学入学を機に上京し、そのまま都内の企業に就職。地方の実家には年に1度か2度、顔を見せられればいいほう、という状態となっていました。 そんな折、突然、実家から電話が。父親が倒れたとのことでした。Aさんは急いで実家に向かいました。どうやらAさんの父親は会社で突然倒れてしまい、救急車で運ばれたのですが、処置が間に合わなかったようでした。 あまりに早すぎる父親との別れに、「もっと頻繁に帰っておけばよかった……」とこぼすAさん。仕事が忙しいことを口実に父親に会えていなかったことを大きく後悔しました。久しぶりに見た父親と憔悴しきった母親を見て、さらに気持ちは落ち込みました。 しかし、そんなことばかり言っている間もなく、お通夜やお葬式をはじめとしたいろいろな準備や手配をする必要があります。娘としてしっかり母親を支えようと、Aさんは母親をサポートしました。 それからしばらく、少し落ち着いたかと思ったら次は相続税の申告が待っていました。こちらも同じく、Aさんは仕事の合間をぬってできる限りのことをして進めていきました。 「時間は、つくるものなのね……」 Aさんは忙しくてもどうにか時間をつくっていろいろと進めているうちに、自分自身の意識も変わっていきました。それからというもの、Aさんは時間があれば、実家の母の様子を見に行くようになりました。
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