「ドラクエ3」に早くも非公式MODが出現…改変の是非に「海外と価値観が違う」「自己責任で」意見集まる
先日11月14日に発売されヒットを記録しているHD-2Dリメイク『ドラゴンクエストIII』をめぐり、PCで遊べるSteam版ので早くも改造MODが海外有志により作成されたことが話題に。国内では疑問の声や理解を示す意見が見られている。 【画像】ロト三部作は全作リメイク化控える。1&2は来年中リリース決定(イメージビジュアル) MODとは「Modification(変更、改変)」の略称で、PCゲーム領域では「ゲームの基本プログラムに改変を加え、機能やグラフィックに変更や追加を行うユーザー制作のプログラムを指し、しばしば「改造」とも称される。今回話題になったMODについては、詳細には触れないが、「船移動の高速化」や「バトルUIの改善」「性別表記」といった操作性に関するものから、音声をファミコン版に差し替えるというかなりグレーなものまで存在するという。 MODの在り方をめぐっては、ゲーム文化における日本と海外の認識の違いが顕著に表れているとの指摘が多数見受けられる。PCゲームコミュニティ、特に海外ではMODが長年の文化として定着しており、近年ではゲームデベロッパーが公式でMOD制作環境(連携用API)が用意されたり、MOD自体が製品化されたりするケースも。 日本国内でも「Steam」が広く浸透したこともありMODに触れるユーザーも少なくない。MODを支持する立場からは、主にバグの修正や利便性の向上といった観点で「ユーザー体験の改善に寄与している」との意見が多い。「購入した製品を自由にカスタマイズする権利の延長線上にある行為」との認識から生まれているとみられ、海外ではそうした感覚が「ゲーム=工業製品」という認識から根付いたと指摘されている。
自己責任であることを忘れずに
一方、反対の立場からは「開発者の意図や著作権を無視した改変は作品への冒涜である」とする批判が展開されている。特に日本市場では、ゲームをクリエイティブ作品として捉える傾向が強いことや、コンソール機が主流だったことから、ソフトウェアの改変に否定的な見方も多いようだ。一部のデベロッパーが明確にMODへの否定的な立場を表明する例も見られる。 特に、オンラインゲームといった対人でのやり取りが発生する場合のMOD、チート等非公式ソフトウェアの使用は「ゲームバランスを崩壊させる」「不正なアドバンテージを得る行為」として強い批判があり、公式も厳しく対処している。したがって、今回の『ドラクエ3』の件はオフラインタイトルであることから「個人の自由」との声も大勢ある。 MODの利用については、権利や法律など多様な視点が必要だが、自身で責任を負えること、他人に責任を押し付けないことは心がけたい。特に開発企業へ不用意に問い合わせをしたり、オンラインプレイで使用したりといった、第三者に影響を及ぼすMODを使用する行為は慎むべきだろう。(本稿はMOD利用を奨励するものではありません)
山本晃平