出るくい伸ばす環境づくりを実践 リッジラインズD&I推進室マネジャー 今井智香(いまい・ちか)さん(42) 月刊Biz・みんなのDEI
富士通の企業コンサルティング子会社「リッジラインズ」は、ダイバーシティー&インクルージョン(D&I、多様性と包括性)を経営戦略の要としている。社会の進展に伴い顧客企業が抱える課題が多岐にわたり、最適な助言や提案をするためには多様な人材が必要だからだ。司令塔であるD&I推進室の今井智香マネジャーに話を聞いた。 ―D&Iが必要な理由は 「顧客企業の経営課題が複雑化・多様化し、解決の難易度が上がっている。デジタル技術でビジネスモデルを刷新するデジタルトランスフォーメーション(DX)といった、抜本的な変革を求めている。こうした変革ニーズに応じていくには幅広い知識が必要で、そのためには多様な人材をそろえなければならない」 --具体的な取り組みは 「転職組が多く、一人一人がさまざまなバックグラウンドを持っているため、チーム内での議論は活発だが、ときには意見対立も起きる。その際、自分が少数派だと感じると、萎縮し力を発揮できなくなる。出るくいをたたくのではなく、伸ばすような環境でなければ、多様性が失われることになりかねないので、推進室が客観的な立場で相談に乗っている」 --従業員がD&Iへの理解を深めるための仕組みもある 「就業時間の10%(月16時間)をD&I活動に割くことができる制度がある。約70人が参加し、外部ゲストを招き『女性の健康課題』をテーマにイベントを実施したり、風通しをよくするために部門を超えた交流会を開いたりしている。推進室は事務局として黒子に徹し、従業員の主体性を引き出すようにしている」