37年前に国立で煮え湯を飲まされた中国代表とW杯最終予選初戦で激突! 日本を熟知するクロアチア人指揮官が“日中の差”を縮めてくるか【コラム】
掴みかけていたソウルへの切符はするりとこぼれ落ちた
北中米ワールドカップ(W杯)・アジア最終予選が9月5日に幕を開ける。日本代表は埼玉スタジアム2002に中国を迎え、8大会連続8度目の出場を目ざす戦いの火ぶたを切る。7月18日に更新されたFIFAランキングによれば、日本の18位に対して中国は87位。欧州組が大半を占める豪華な日本代表のメンバーを見て、中国国内では自国代表への悲観論が高まっているという。 【画像】“世界一美しいフットボーラー”に認定されたクロアチア女子代表FW、マルコビッチの厳選ショットを一挙お届け! 森保一監督率いる日本は、前回大会の最終予選でも中国と対戦した。カタールのドーハで2021年9月に開催された中国の“ホームゲーム”では、大迫勇也の決勝点で1-0の勝利を収め、2022年1月に埼スタで行なわれた一戦も大迫(PK)、伊東純也が決めて2-0と快勝。この試合でシュート2本に終わった中国の決定機は皆無に近く、本大会出場の夢をほぼ断たれるという絶望感も味わった。 だが、日本もかつては、その中国に煮え湯を飲まされたことがある。鼻先にぶら下がっていた1988年のソウルオリンピックへの出場権を、まんまとさらわれたのだ。それも、銅メダルを獲得した1968年メキシコ大会以来、20年ぶりのオリンピック出場を決める瞬間を見ようと国立競技場を埋めた大観衆の前で。 ソウル大会のアジア最終予選東地区は、日本、中国、タイ、ネパールがホーム&アウェーで争い、1位が本大会出場権獲得となる。日本はタイ、ネパールとの対戦を終えて3勝1分けの勝点7(当時は勝利の勝点が2)。中国は同じく4勝で同8の首位。ソウル行きを懸けて日本と中国が最後の2戦を戦った。 中国の広州で1987年10月4日に開催された試合は、日本が1-0の勝利をものにする。21分に水沼貴史のFKを原博実が得意のヘディングで叩き込み、中国の反撃をしのいで虎の子の1点を守り切った。これで日本が勝点を9として中国を抜き、グループ首位に躍り出た。東京へ舞台を移して10月26日に行なわれる最終戦で、日本は引き分け以上の結果ならオリンピックへの扉が開くというシナリオが用意された。 だが、雨中の戦いで37分に先行したのは中国だった。左サイドからのクロスを柳海光がヘディングで合わせ、森下申一の守るゴールを破った。日本陣営に焦りが募るなか、中国は82分に唐堯東が決定的な追加点を挙げ、スコアは0-2でタイムアップ。再び中国が首位に返り咲き、中華人民共和国として初のオリンピック出場を成し遂げた。日本は都並敏史らが激しい闘志を見せたが、水沼のドリブル突破、原の空中戦に頼る攻撃は単調で中国ゴールを脅かすことができず、掴みかけていたソウルへの切符は、指の間からするりとこぼれ落ちた。 今年2月にクロアチア人のブランコ・イバンコビッチを監督に迎え、2002年日韓大会以来となる2度目のW杯出場を目ざす中国。3年前のカタール大会最終予選でオマーンを率いた指揮官は、その初戦で日本に乗り込み、1-0の勝利に導いた。中国としてはその再現を期待したいところ。はたして、イバンコビッチ監督の手腕が日中の差を縮め、再び日本に一泡吹かせることはできるのか。 文●石川 聡
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