山梨県、富士山登山客から2000円の入山料を徴収 オーバーツーリズム対策で
7月1日に富士山は山開きを迎えたが、山梨県側の登山道では今年から入山料として1人2000円を支払いが求められる。国内の登山客からはおおむね好意的な意見が聞かれた。 日本最高峰にして象徴的存在でもある富士山――今年からは入山料を支払った人だけが登ることができる。この新しい登山口の門は、1日午前3時に開門した。 このところ海外からの観光客の急増により、富士山の環境が悪化していることや、準備不足から救助を要請する登山客が増えており、対策が求められていた。 1人2000円の入山料を支払うと、午前3時から午後4時まで滞在可能な通行証としてのリストバンドが渡される。また登山者の数は1日4000人までに制限される。 国内の登山客からはおおむね好意的な意見が聞かれた。 「環境に関しての意識というものを、もっと皆さんが持っていただいたら、富士山も喜ぶかな」 「前もって予約するシステムはいいと思います。人が多すぎると危ないと思うので」 ただしこの制限には例外もある。山小屋に宿泊予約をして2日間に分けて登山する場合、この時間外でも通行できるという。 山梨県の長崎幸太郎知事は先月、国は単に観光客数を増やすことよりも「より高額な支出をする観光客」を誘致することに重点を置くべきだと述べた。 日本ではインバウンド観光客が記録的なペースで増加している。今年5月には到着者数が急増し、前年比で約60%増、2019年5月に比べ約10%増加した。 日本円はここ数十年で最も安く、コロナ禍のロックダウンで鬱憤をためた外国人観光客がより多くの価値を求めて訪れている。 だが外国人観光客の急増は、日本各地でオーバーツーリズムの懸念を引き起こしている。富士山で観光客の急増への対策が取られるのは、今回が初めてではない。 今年5月、富士河口湖町は景色を遮るため、高さ約2.5メートルの目隠し幕を設置した。コンビニの背後に富士山が見える「映えスポット」としてSNSで話題になっていた。だが観光客がごみを捨てたり、交通ルールを守らないとして地元住民から苦情が上がっていた。