「大手企業」と「中小企業」では、退職金が「1000万円」違う!? それぞれの平均や退職金から引かれる税金についても解説
退職後の生活に大きく関わる退職金について、いくらもらえるのか知っていますか。本記事では、大手と中小企業を比較して解説します。また、退職金から引かれる税金はいくらなのかも紹介します。
大企業と中小企業の退職金
大企業と中小企業では、もらえる定年退職の退職金にかなりの差がありますので、具体的な金額を紹介します。ちなみに、ここでいう大企業とは「資本金5億円以上かつ労働者1000人以上の企業」、中小企業とは「東京都内の10人~299人の企業」のことを指します。 ■大企業の場合 厚生労働省の調査によると、大企業の場合、退職金の平均は大学卒で2230万円、高校卒で2017万円になります。平均して2000万円を超える金額がもらえています。 ■中小企業の場合 東京都の調査によると、中小企業の場合、退職金の平均は大学卒で1091万円、高校卒で994万円です。図表1のとおり、大企業と中小企業では退職金におよそ1000万円以上の差があることが分かります。 図表1
厚生労働省 令和3年賃金事情等総合調査、東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)より筆者作成
退職金にかかる税金
退職金についても税金がかかります。具体的にいくらの税金がかかるのか、計算方法も含めて解説します。将来の資金計画などに活用してください。 ■税金の計算方法 年収が500万円の人の場合、退職所得に20.42%を掛けた数値が所得税としてかかります。ここで、退職所得の求め方を説明します。 退職所得は下記の数式によって計算します。 [退職金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額]×1/2=退職所得の金額 退職金から一定額が引かれ、さらにその額を2で割った額が退職所得になりますので、退職所得も税金も大幅に少なくなります。 退職所得控除の金額は、図表2のように計算されます。勤続年数が20年までは勤続年数に40万円を掛けた金額、20年を超える部分についてはその超えた部分に70万円を掛けた金額が税金から引かれます。 では、年収500万円で勤続年数30年、退職金2000万円をもらった場合の税額を計算します。 退職金2000万円-[800万円+70万円×(30年-20年)]×1/2=退職所得250万円 退職所得250万円×税率20.42%=51万500円 税金が約51万円という結果になりました。 図表2