登龍亭獅篭、尾張落語の新演目「真・黄金餅」を本格披露 きっかけは名作「黄金餅」の名古屋発祥説を唱えた中日スポーツ記事
名古屋を拠点に活動する落語家の登龍亭獅篭(53)が13日、兵庫県西宮市の門戸寄席で落語会を開き、中日スポーツの連載企画「NAGOYA発」の記事をきっかけに書き下ろした新演目「真・黄金餅」を本格的に披露した。 ◆【動画】落語家・登龍亭獅篭インタビュー 尾張落語「時きしめん」2023年2月:大須演芸場 昨年2月に掲載された同企画の記事で江戸の古典落語「黄金餅」が名古屋発祥とする説を唱えており、それを受けて江戸時代に成立した地元の文献を元に獅篭が新たに尾張落語としてアレンジ。この日も当時の地名や地元の寺院名を羅列しながら名古屋弁の軽妙な語り口で観客を沸かせ、「よくぞ発掘してくれた。私も名古屋市博物館の学芸員さんに教わりながら文献を調べた。『黄金餅』は名古屋発祥だと思う。尾張落語として伝えていきたい」と話した。 「黄金餅」は、ひそかに貯蓄していた金品を餅にくるんで食べて息絶えてしまうケチな男にまつわる話で、幕末から明治時代にかけて数多くの名作を手がけた落語家の初代三遊亭円朝が江戸の説話を元につくったとされている。 ところが、名古屋にもほぼ同じ内容の話が残っており、江戸時代の地誌「金鱗九十九之塵(こんりんつくものちり)」には現在の名古屋テレビ塔(中部電力MIRAI TOWER)がある付近に住んでいた独居の老女の逸話が記されている。 獅篭は浜松市出身。1994年に落語立川流の立川談志に入門し、「立川志加吾」と名付けられ、落語家修行をしながら漫画家としても活躍。2002年に破門されると、03年に名古屋の雷門小福門下に移って「雷門獅篭」と改名。20年に亭号を「登龍亭」に改めた。
中日スポーツ