円安は日本有利で他国不利 日銀の利上げは経済の成長率上昇を阻害 「近隣窮乏化」が筆者の感想ではない証拠
財務省が恩着せがましく対策をするのは看過してもいい。どうせなら、効果のない為替介入を少しやるのでなく、数十兆円にもなる外国為替資金特別会計(外為特会)の為替差益を吐き出すのがいい。そもそも先進国は変動相場制で、日本ほど巨額の外貨準備を持っていないので、外為特会を使い切れば先進国並みになり、それを国民還元するのは良い政策だ。
一方でいま日銀が利上げすることは、円安による成長率アップを阻害するので罪は大きい。インフレ率が4%程度になるまで金融引き締めをしないという「ビハインド・ザ・カーブ」の原則に反するからだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授・高橋洋一)