実家暮らしの独身40歳。両親は「自営業」をしており、引退後は「私の収入」と「両親の年金」で生活していけるか不安です。
自営業の両親が仕事から引退したとき、収入が減少することを考慮すると、現状のままで生活が成り立つかどうかは、子どもとしては気になるところです。特に年金と自身の収入だけで、両親の老後を支えることができるかどうかは、大きな不安要素となるでしょう。 本記事では、一般的な家庭がどのように老後の生活を支えているのかを分析し、将来の生活に向けた具体的な対応策について紹介します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
両親の年金だけで足りる?
両親が引退し、家族全体の収入が自分の給与と両親の年金のみとなる場合、生活費をカバーできるかを考えてみましょう。 厚生労働省の「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は「月額14万4982円」、国民年金の平均受給額は「月額5万6428円」です。もし、自営業を始める前に会社員として働いていた場合、その期間に厚生年金を納めていたのであれば、両方支給されることもあります。 ただし、ずっと自営業をしていたのであれば、厚生年金ではなく国民年金のみの可能性が高いため、夫婦2人で「月額11万2856円」の年金収入が見込まれます。これに自分の収入を合わせた金額で、家計が成り立つかどうかを計算しなければなりません。 また、自営業者は、退職金も少ないか、全くないケースが多いため、年金額で月々の基本的な生活費をまかなうには、限界があるでしょう。家賃や住宅ローンの支払いがないとしても、光熱費や食費、医療費などの基本的な支出は避けられません。 さらに、予期せぬ出費や緊急事態に備えるための資金も必要です。年金だけでなく、その他の収入源や貯蓄が重要であることが分かります。
貯蓄はどの程度必要か?
年金だけでは不十分な場合、貯蓄が重要な役割を果たします。そのため、老後の生活を支えるために、どの程度の貯蓄が必要であるかを知ることが大切です。 総務省統計局の「家計調査報告(令和5年度)貯蓄・負債編」によると、65歳以上の無職世帯で1世帯当たりの平均貯蓄残高は「約2504万円」です。 貯蓄があれば、年金だけではカバーできない生活費をまかなうことができるでしょう。貯蓄の内訳をみると、定期性預貯金が「約846万円」、通貨性預貯金が「約754万円」、有価証券が「約480万円」、生命保険などが「約413万円」を占めています。 しかし、貯蓄額には大きな個人差があり、全体の34.1%が2500万円以上の貯蓄を持つ一方で、300万円未満の貯蓄しか持たない世帯も15.1%存在します。 両親の貯蓄額がどの層に属するかによって、引退後の生活が安定するかどうかが大きく変わるでしょう。十分な貯蓄があれば、年金だけではまかなえない支出をカバーすることができ、安定した生活を送ることが可能です。