【DC企業型確定拠出年金(選択制)】加入した方がいい?メリット・デメリットを教えてください!
「選択制企業型確定拠出年金」は、企業が導入できる年金制度の一つですが、加入側からすると「具体的にどのような年金制度なのか」「メリット・デメリットがわからない」など、不安要素は多いでしょう。 【写真2枚】企業型確定拠出年金制度の概要や違いを図表でチェックする! 本記事では、選択制企業型確定拠出年金に加入するべきかを、メリット・デメリットをふまえながら紹介していきます。 「そもそも企業年金制度とは何か」も紹介しているので、加入を検討している方はあわせて参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
そもそも企業年金制度とは?
企業年金制度とは、国民年金や厚生年金といった「公的年金」とは別に、企業が導入できる年金制度を指し、加入している場合は公的年金に上乗せして将来年金が受け取れます。 企業年金制度には下記3つの種類があります。 ・厚生年金基金制度 ・確定給付企業年金制度(DB) ・企業型確定拠出年金制度(DC) 厚生年金基金制度は、国に代わって厚生年金の給付の一部を代行して行うとともに、企業に応じて独自の上乗せ給付を行うことができる制度です。 しかし、厚生年金基金制度は法改正により2014年4月以降は新規設立は認められていないため、実質廃止となっています。 確定給付企業年金制度は、企業が加入者(従業員)に「退職後の給付」についてあらかじめ約束し、内容に基づいた給付を受け取ることができる制度で、「DB」「給付建て年金」とも呼ばれています。 企業型確定拠出年金制度は、企業が掛金を負担し、加入者(従業員)が運用を行う制度で、「企業型DC」「401k」とも呼ばれています。 本記事では、このうちの1つである「企業型確定拠出年金制度」について詳しく紹介していきます。
企業型確定拠出年金制度とは?
企業型確定拠出年金制度とは、名の通り毎月の「拠出金額が確定している」年金制度で、企業が掛金を負担し運用は加入者が行うものです。 なお、拠出金額は確定していますが、将来受け取れる金額は運用成績によって変動するため、確定していません。 上記の内容をまとめると、下記のようになります。 <企業型確定拠出年金制度の概要> ・誰が掛金を負担(拠出)する? :企業 ・誰が運用をする? :加入者(従業員) ・拠出する掛金は? :毎月確定 ・将来受け取れる金額は? :運用成績によって変動 なお、企業型確定拠出年金制度には「通常型」と「選択制」の2種類があります。 通常型の場合は、「企業型確定拠出年金制度」を導入している企業に属している厚生年金被保険者の全員が対象となり、強制的に加入となります。 一方で選択制の場合は、加入者(従業員)が企業型確定拠出年金制度に加入するかどうかを決めることができます。 この2つの大きな違いは下記2点です。 <企業型確定拠出年金制度「通常型」と「選択制」の違い> ・企業型確定拠出年金制度への加入:通常型 自動加入/選択制 加入者が選択可能 ・掛金負担:通常型 企業/選択制 加入者 従来においては通常型のほうが一般的でしたが、最近では「選択制企業型確定拠出年金制度」を採用する企業も増えつつあります。 次章にて、「選択制」企業型確定拠出年金制度について、さらに詳しく解説していきます。 ●「選択制」企業型確定拠出年金制度について 通常の企業型確定拠出年金制度は、この制度を導入している企業に属している厚生年金被保険者は自動的に加入の対象となりますが、選択制の場合は加入するかどうかは加入者が判断して決められます。 「選択制」企業型確定拠出年金制度は、下記のどちらにするかを加入者が決定できます。 ・給与の一部を企業型確定拠出年金の掛金として拠出し将来年金として受け取る ・企業型確定拠出年金の掛金に拠出せずに毎月給与として受け取る たとえば、毎月の給与が25万円の場合、企業型確定拠出年金に加入しなければそのまま25万円を受け取れます。 一方で、企業型確定拠出年金に加入する場合は、25万円の一部を掛金にし、その残りの金額を給与として受け取れるのです。 つまり、「選択制」企業型確定拠出年金制度を利用する場合、掛金を含めた給与総額は変わりませんが、手取り額は掛金分減る仕組みとなっています。 企業側は通常型とは違い、掛金を拠出する必要がないため費用負担を抑えながら年金制度を導入できます。 一方で、加入者側は自身でライフプランを考え加入を自由に選択できますが、掛金は自ら負担する必要があります。 上記をふまえ、「選択制」企業型確定拠出年金制度に加入するのは果たしてお得なのでしょうか。 次章にて、加入者側の「選択制」企業型確定拠出年金制度のメリット・デメリットをさらに深掘りしていきましょう。