日本ファンタジー小説の原点を映画化!役所広司主演『八犬伝』10月公開決定
山田風太郎の小説「八犬伝 上・下」を役所広司主演で映画化する『八犬伝』が10月に公開されることが決定。このたび、本作より、キャスト陣、監督のコメントが到着した。 本作は里見家にかけられた呪いを解くため、運命に引き寄せられる若き8人の剣士たちの戦いをダイナミックに描く《虚》パートと、180話に及ぶ物語を悩み苦しみながら28年もの歳月をかけて書き上げた作家、滝沢馬琴の創作の真髄、そこで生まれた奇跡の実話を描いた《実》パートがシンクロするエンタテインメント作品。主人公で、小説「南総里見八犬伝」作者である滝沢馬琴を、『PERFECT DAYS』(公開中)で第76回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を、先日の第47回日本アカデミー賞でも4度目の最優秀主演男優賞を受賞し、同作が第96回アカデミー賞国際長編映画賞にもノミネートされた役所が演じる。そして、内野聖陽が馬琴を見守り続ける親友の絵師、葛飾北斎を演じた。また、《虚》パートで八犬士の運命を握る伏姫役に土屋太鳳、馬琴の息子である宗伯役に磯村勇斗、宗伯の妻であるお路役に黒木華、馬琴の妻のお百役に寺島しのぶと豪華な顔ぶれが集結。監督は『ピンポン』(02)や「鋼の錬金術師」シリーズの曽利文彦監督が務める。 馬琴の実話を描く《実》パートと、八犬士の戦いを描く《虚》パートがシンクロする本作について役所は「読本作家 滝沢馬琴の几帳面な生活と彼が生み出す絢爛豪華な活劇。はたして馬琴にとってどちらが《虚》で、どちらが《実》なのか?映画館でお楽しみ下さい」とコメントを寄せている。また、内野は「馬琴が北斎との友情の中で育て上げた『八犬伝』。家族を抱え、ままならない現実に悶えながらも華やかで正義感に満ちた作品を描いていく様は本当に見応え十分です!」とアピールした。また、土屋は「現代の技術があってこそ実現できる『伝説のリアル感』が、《虚》パートの大きな魅力ではないかと思います」、磯村も「《実》パートと《虚》パートそれぞれの物語がクロスしていく描き方は必見です」とその魅力を述べている。 日本ファンタジー小説の原点「八犬伝」は、豪華キャストの共演のもとどのように生まれ変わるのだろうか?本作の公開に期待が高まる。 ■<キャスト、スタッフコメント> ●役所広司(滝沢馬琴役) 「28年掛けて書き上げた『南総里見八犬伝』。成し遂げられたのは、親友、葛飾北斎と家族たちの献身的な支えがあった。読本作家 滝沢馬琴の几帳面な生活と彼が生み出す絢爛豪華な活劇。はたして馬琴にとってどちらが《虚》で、どちらが《実》なのか?映画館でお楽しみ下さい」 ●内野聖陽(葛飾北斎役) 「北斎は晩年、多くの物語から触発され絵を描き、そして馬琴は、北斎の絵に触発され、筆を走らせた。ジャンルの違う芸術家同士が、インスピレーションを与え合っていたなんて素晴らしいことです。馬琴が創作活動で悶え苦しむほど、《虚》の世界の八犬士たちの華やかでケレンのある世界が輝きを増す。それは、まるで『鬼滅の刃』の世界。北斎はそんな馬琴を面白がりながらも一番の理解者として愛情深く見つめ、ときには喧嘩も罵りあいもする存在。そんな2人の関係は人間らしくて、オモシロく、お互いにとってなくてはならない存在であったことが感じられます。馬琴が北斎との友情の中で育て上げた『八犬伝』。家族を抱え、ままならない現実に悶えながらも、華やかで正義感に満ちた作品を描いていく様は本当に見応え十分です!劇場の大きなスクリーンで、この迫力ある世界を楽しんで頂けたらと思います!」 ●土屋太鳳(伏姫役) 「伏姫は、子どもの頃からの憧れの存在。その魅力は語り尽くせないけれど、私が思う一番の魅力は、包容力です。一見“自己犠牲”に見えながら、実は誰よりも能動的に物語を牽引し、守るべきものを守り通す。憧れます。現代の技術があってこそ実現できる『伝説のリアル感』が、《虚》パートの大きな魅力ではないかと思います。夢中で本を読んでいると、頭の中に物語の世界が縦横無尽に広がりますが、その感覚と同じ興奮を覚えました。とても新鮮だと感じる一方で、不思議な現実味があるように感じました。人には『起きている時』と『眠っている時』がありますが、その両方を意識が行き来しながら生活している感覚に、少し似ているのかもしれません。伏姫が取り組んだ使命は、現代においても、大切な課題だと思います。見失ってはいけないものを、人は簡単に見失ってしまう。なぜなのか、そして、どうすれば取り戻せるのか…伏姫の祈りを、どうか受け取って下さい」 ●磯村勇斗(宗伯役) 「宗伯は父、馬琴に確固たる忠誠心と敬意を持った息子です。今回、そんな息子役で役所さんと初めて共演させていただき、父、馬琴として、俳優として、大きな背中を近くで見ることができ、とても実りある撮影時間を過ごすことができました。『八犬伝』をご存知の方もそうではない方も楽しめる作品で、《実》パートと《虚》パートそれぞれの物語がクロスしていく描き方は必見です。ぜひ劇場でご覧頂けたら嬉しいです」 ●黒木華(お路役) 「お路は“表に出さない強さ”を秘めた女性だと思います。何があっても静かに耐えて感情を出さなかったお路が皆の想いを受け、『この物語は絶対に残さねばならない』と馬琴と共に『八犬伝』を完成させようとしていく姿には強い意志を感じました。多くの作品を拝見させていただき、いつかご一緒したいと願っていた役所さんとの共演は光栄でした。馬琴の悔しさや、目が見えなくなっていく過程のお芝居も圧巻でした。“現実”と”物語”を行き来する今作を、ぜひ楽しんでもらえると嬉しいです」 ●寺島しのぶ(お百役) 「お百は役所さん演じる馬琴に、ひたすら怒鳴りつけて気持ちをぶつける役で台詞も早く巻くしたてないといけなかったので苦労しましたが、久々の共演となる同期生の内野くんもいたので安心してお芝居ができました。『八犬伝』のスペクタキュラーな《虚》の世界と私たちの《実》のパートがどうリンクしていくのか、楽しみにしていて下さい」 ●曽利文彦(監督) 「『日本が世界に誇る役所広司さんに馬琴を演じてもらいたい!』すべてはこの想いからスタートしました。『そして北斎は、これまた日本を代表する俳優の内野聖陽さんに!』このお2人の夢の共演が叶ったときの監督としての喜びは、言葉にできるものではありません。『八犬伝』は、その作品と生きざまにおいて“正義”を貫いた1人の作家の物語です。複雑多様化した現代社会を頑張って生き抜いているからこそ、このシンプルな“正義”が深く心に突き刺さります。虚実入り乱れる大胆な構成と、『八犬伝』ファンの皆さんは現在の最新映像技術で蘇る新しい『八犬伝』の姿を、そして日本の漫画やアニメが大好きな皆さんはその原点の物語をぜひ楽しんでください!」 文/鈴木レイヤ