五感で楽しむデジタル「浮世絵」 葛飾北斎、喜多川歌麿らの作品に没入できる展覧会、東京で初開催
葛飾北斎、喜多川歌麿らの浮世絵をもとに、3DCGアニメーションやプロジェクションマッピングなど最新のデジタル技術を駆使してつくられた立体映像空間に没入できる「動き出す浮世絵展 TOKYO」が寺田倉庫G1ビル(東京都品川区)で開かれている。 【写真】東京都内で開かれている「動き出す浮世絵展」 浮世絵師の作品300点以上をベースにした「体感型ミュージアム」で、東京での開催は初めて。 立体映像空間は九つのテーマで構成。「藍(あい)」と名付けられた空間では、葛飾北斎の風景版画シリーズ「富嶽三十六景」の1作品で、富士山を背景として渦巻く大波を描いた「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」を中心に、海をイメージさせる幻想的な青の空間を体験できる。 「遊(あそび)」では、ピンボールのような球を穴に落とす「浮世絵穴落とし」や、輪投げといった遊具もあり、遊び心に満ちた浮世絵の世界を楽しめるという。このほかに「眺(ながめ)」「麗(うるわし)」「彩(いろどり)」「瀧(たき)」「錦(にしき)」「豪(ごう)」「雅(みやび)」のそれぞれ異なるコンセプトの浮世絵空間があり、人々の暮らしなど江戸文化に触れることもできる。 展覧会を訪れた20代の女子学生は「教科書で見たことのある浮世絵が動いていてびっくりした。(絵の中の人が)本当に歩いているようで、とても印象に残った」と笑顔。同展の浮世絵アドバイザーを務めるタレントの堀口茉純さんは「面白いと思える作品はきっとあると思う。浮世絵の世界を楽しんでほしい」とアピールした。 同展はこれまでに名古屋市、イタリア・ミラノ、鹿児島市で開催され、来場者は累計で15万人以上。総合演出を手掛けた一旗(名古屋市)の東山武明代表取締役は「浮世絵がダイナミックに躍動し、大人から子どもまで五感で楽しむことができる。浮世絵を知るきっかけにしてほしい」と力を込める。3月31日まで。