武田薬、ウェバー氏の選任賛同率76.22%-前年から大幅に低下
(ブルームバーグ): 武田薬品工業は、26日の定時株主総会で決議されたクリストフ・ウェバー社長の取締役選任賛成比率が76.22%だったと発表した。米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)による反対推奨などを受け、前年の95.69%を大幅に下回った。
ISSは過去 5 期平均の自己資本利益率(ROE)が5%を下回り、かつ改善傾向にない場合、経営トップである取締役に原則反対を推奨する。新型コロナによる影響を鑑み2020年6月から同基準を停止していたが、24年2月から適用を再開。ウェバー氏の選任に反対を推奨していた。
ブルームバーグのデータによると、武田薬のROEは24年3月末時点で2.1%となっている。ISSによる反対推奨に対して、武田薬は反対を表明。限られた期間での利益指標よりも幅広い観点で判断されるべきと主張していた。
武田薬は、主力の多動性障害治療剤「ビバンセ」の特許切れで、24年3月期のコア営業利益は前の期に比べ11%減少した。後期開発段階にある医薬品候補の実用化や、人員削減などを含むコア営業利益率の改善に向けた全社プログラムを進める。
取締役賞与の支給に関する議案の賛成比率は73.63%と、前年の97.91%から低下。有価証券報告書によるとウェバー氏の連結報酬総額は20億8200万円だった。前年の17億2300万円から約20%増えた。
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Akemi Terukina