45歳課長、悩む若手部下に「飲みに行くか!」と気にかけたら…辞めてしまった。告げられた“理由”に困惑
「老害=高齢者」はもう古い。年齢に関係なしに、その予備軍たる「老害グレーゾーン」は職場にはびこっている。自分は果たして違うのか? 実例を元に考えてみた。
相談に乗るつもりで誘ったらアルハラ?
「期待の若手が、契約を取れずに悩んでいたんです。それで自分の20代の頃に重ねてしまい、『相談に乗ってやるから飲みに行くか!』と誘ったんですよ。それからも事あるたびに『頑張れよ!』とハッパもかけましたがそれが間違いだったとは……」 そう話すのは、広告会社課長の添田健二さん(仮名・45歳)。半年後、その若手は会社を辞めてしまい、上層部から次のように告げられたという。 「『飲み会という会社外の付き合いを求められ、さらに過度の期待もされてプレッシャーが苦しかった……』と言っていたそうです。自分としてはかわいがったつもりが完全に仇になったんです」 会社からは口頭での厳重注意で済んだが、部署内では同僚から距離を置かれるように。今では仕事以外で話しかけてくることはほぼないという。
社内では“要注意人物”に…
「期待の若手を気にかけたつもりでした」 もともと部下と飲みに行くことはそれほど多くなかったが、この一件以降は自分から誘うことはしなくなった。 「つらいのは社内で自分より若い人を退職に追い込んだ“要注意人物”と見られてしまったこと。今は年下たちを“フラットな目線”で見るように心がけていますが、正直何がOKで、どう接すればいいのか戸惑いはあります」 中間管理職のソフト老害化は、どの企業にとっても珍しいことではないのだ。
ソフト老害化を防ぐアップデート術
会社員たるもの、どうしても年下に教育や指導する場面は訪れる。この八方塞がりな状況で、ソフト老害に思われない方法はないか? ここからは『#言葉のアップデート術』(クロスメディア・パブリッシング)の著者でコピーライターの小竹海広氏に、ソフト老害化を防ぐための「言葉の使い方」について聞いた。
大きな主語から小さな主語へ
「言葉のアップデートというのは、言葉そのものだけでなく、思考のアップデートとしても語れるんです。ちょっとした意識と言葉の違いで、年下社員が受け取るイメージは大きく変わります」 では、手始めにどんな意識から変えていくべきだろうか。 「まず、指導や注意でやりがちなのが、“主語を大きくすること”。『会社的に~』『普通は~』『みんなが~』など、さも世論的であるかのような表現は、ただの個人の意見を過度に一般化するだけのズルい言い方です。なので、『私はこうしていました』と一人称へシフトしてみましょう」 注意をしたいときは、主語を大きくしない BEFORE 普通はこうしない? AFTER 私はこうしていました