産後レスの夫が、子どもの「園の送迎」で感じた運命。いつのまにか【本気の不倫】まで、突き進んでしまった心理とは
昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。 【データ】男性と女性の「更年期」に対する意識はどれくらい? つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。 これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。 【無子社会を考える#7】
日常生活の中にあった不倫のきっかけ
「僕は2人の女性を同時に愛してしまった。ダメなのは分かっているのですが、もう止めることができないんです」 このように語ってくれたのは東京都杉並区在住のマサオさん(41歳・個人事業主)です。マサオさんの家庭は妻(38歳)と娘(5歳)の3人家族。個人事業主のマサオさんは仕事の時間をある程度自由に調整できるため、できる限り娘の幼稚園の送り迎えをすることが日課なのだそうです。 「妻はコロナ禍は在宅勤務でしたが、現在、週の半分は会社に行くハイブリッド勤務のため、徐々に私が幼稚園に行く回数が増えていきました。まさかそれがきっかけの不倫だなんて、誰にも言えません」 どうやらマサオさんは娘の幼稚園の送り迎えをするなかで、気づいた時には毎日出会う女性に惹かれてしまっていたようです。 「最初の印象は可愛い女性だなって思うだけで、それ以上の気持ちはなかったんです。ただ娘の送り迎えをする中で、だんだんと会う機会が増えていって。挨拶だけじゃなくて世間話もするようになっていきました」 徐々に親しくなるにつれて、親しみが増えたというマサオさん。とはいえ、それまで不倫はしたこともなく、そんな願望すら考えたことがなかったと言います。 「可愛いと思うかどうかって、それは男の本能というか止められないものだと思うんです。そんなことはこれまでも何度もありましたし、男なら普通の感情だと思うんです。でもそれで不倫するかどうかは別の話だし、自分には関係ない話だと考えていました。当然、過去の恋愛でもこんなことはなかったんです」 マサオさん曰く、過去の恋愛に遡っても浮気の経験はなかったといいます。とはいえ、毎日タイプの女性と顔を合わせるだけで妻以外の女性に本気になることは考えられません。そこに至るまでの経緯についても話して頂きました。 「気がついたら、彼女との距離がぐっと縮まっていたんです。最初はただの世間話から、次第に家族の話や仕事の悩みなど、個人的な話題になっていきました。彼女は私より7歳年下で、なんとなく会話から夫との関係に悩んでいるように感じました。次第に共感しあうようになっていったと思います」