“円安”直撃でGWの旅行先に異変!? 東京が人気の旅行先トップ【WBS】
歴史的な円安は、ゴールデンウイークの過ごし方にも影響しそうです。今年のゴールデンウイークは、平日に3日間の休みを取れば、最大10連休となりますが、円安が進行する中、人気の旅行先に意外な場所が浮上しているんです。現場を取材しました。 今年のゴールデンウイーク、どう過ごしますか。街で聞いてみました。 「円安だし、海外旅行の予定はない。家族と国内旅行なら行くかもしれない」(40代女性) 「旅行は混んでいたり高かったりする。近場で過ごす」(30代男性) 円安を理由に、海外を敬遠する声が多く聞かれました。
東京・港区にある「グランドプリンスホテル高輪」。和室にベッドを備えた旅館タイプの部屋「和室ガーデンスイート」は、茶の間をイメージしたスペースが設けられ、窓からは庭園を眺めることができます。 普段は宿泊客の7割ほどが外国人ですが、同ホテルの岡崎俊太郎さんによると「国内の客も増えていて、ゴールデンウイーク期間中は大体半分半分。需要とのバランスで価格を決める。今は価格を上げても十分入ってくる」といい、GW期間中、部屋の宿泊料は1人1泊約7万4000円からと去年の2倍以上になります。 それでも好調なインバウンド需要に加えて、日本人旅行者が増えていることが追い風となり、予約は4割ほど増加しています。プールサイドでたき火ができるなど、キャンプ気分を味わえるサービスも提供し、需要をさらに取り込みたいとしています。 「円安の状況をみると『海外より国内』。物価高の影響で『遠いところより近場』という傾向がさらに強まるのでは」(グランドプリンスホテル高輪の岡崎さん)
日帰りバスツアーも人気
ゴールデンウイークを都内で過ごす。これが今年のトレンドです。 「東京のホテル滞在型で食事を楽しみたいという要望も多い。食事に特化したプランも用意している」(近畿日本ツーリスト新宿店の樋口麻美店長) 近畿日本ツーリストでは大型連休中の国内旅行の販売高が去年より11%増加。その中でも人気の旅行先のトップは東京で、販売高は2倍に増えているといいます。 「東京では新しいホテルが続々とオープンしている。新しい施設も続々とオープンし、人気となっている」(樋口店長) さらに「安・近・短」で人気を集めているのが日帰りバスツアーです。茨城・ひたちなか市の国営ひたち海浜公園に入ってきたのは観光バス。客が向かうのは、この時期の名物ネモフィラが咲き誇る丘です。こちらは阪急交通社の日帰りバスツアー。公園や観光名所の神社などを回るプランで、料金は1人1万1990円です。 阪急交通社では、価格の手頃な日帰りバスツアーの予約が去年の1.5倍に増えているといいます。同じく日帰りバスツアーを手がけるはとバスでも、大型連休中の都内の観光プランの予約は、去年より10%増えました。 円安に物価高。家計負担が増える中、手軽な旅行の市場は広がるのでしょうか? 「国内ではホテルに宿泊せずに行ける日帰りバスツアーや近場の旅行は『気軽に出かけられる』と支持される。ますますこの市場は伸びてくる。近場で楽しめる、ホテル代があまりかからないような形で身近に気軽に行ける旅行スタイルは増えていく」(旅行アナリストの鳥海高太朗さん) ※ワールドビジネスサテライト