「ギャラクシーノート7」だけじゃない、あなたのスマホも発火に要注意
サムスン電子の新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」のバッテリーが破裂したと主張する消費者が複数現れた、というニュースが国内外のメディアで報じられました。ギャラクシーノート7に限らず、各社スマホやタブレットPC、ノートPC、小型家電などさまざまな製品にバッテリーとして採用されているのがリチウムイオン電池です。これら機器でも電池破裂などの事故が起きているのでしょうか。国民生活センターに聞いてみました。 「放水したら爆発」中国・天津大爆発、日本の消防は大丈夫?
たびたび寄せられるリチウムイオン電池の事故相談
国民生活センター商品テスト部の担当者によると、スマホや家電製品に使われるリチウムイオン電池の事故に関する相談は、たびたび寄せられているそうです。 今年7月、10代の男性からは「就寝中に突然爆発音がなったので確認したところ、充電中のスマホ本体が変形し、煙がでていた」、昨年12月には、40代男性から「充電していた携帯用ヒーターのリチウムイオン電池が爆発し、カーペットなどが焼けた」、という相談がありました。 爆発・発火にいたらずとも、1年半前に購入したスマホのリチウムイオン電池が3か月前から少しずつ膨張してきた(2016年4月・40代男性)、5年前に購入したノートPCの電池が膨張している(2013年3月・60代男性)、という、古いリチウムイオン電池に関する相談もたまにあるようです。
電池ではなく、充電端子が原因で起きる事故も
スマホの破裂・発火にしぼると、「夫が就寝中にスマホを充電していると、10分もしないうちに発火して、座布団が焦げた」(2016年8月・40代女性)、「同居人のスマホが充電中に爆発した」(2016年6月・20代女性)などの相談がありますが、なかには、「スマホと充電端子の接続部が発火して、スマホが溶けた」(2016年6月・40代男性)など、電池ではなく、充電端子が原因で起きる事故もあります。担当者によると、充電端子の接続部に異物が入っていると、焦げたりするケースもあるといいます。 数年前、同センターでは「スマホを充電していたところ、スマホと充電器の接続部の接続部分が焦げた。原因を調べてほしい」という依頼を受けて、導電性の異物が混入した充電端子を使ってテストを行ったところ、接続部の温度上昇を確認。スマホ本体と充電器の機能はともに正常だったため、充電端子の接続部がショートに近い状態となって発熱し、周囲が損傷したと考えられると結論づけました。
スマホを充電する際は、充電端子の取り扱いに注意
同センターでは、消費者に対して、「スマホを充電する際は、毎回充電端子の取り扱いに注意しましょう。また、異常を感じた場合はただちに充電を中止しましょう」と注意を喚起しています。 ギャラクシーノート7の破裂事故が、製品の欠陥によるものか、ユーザーの使用方法に問題があったのかは定かではありませんが、いずれにせよ、ギャラクシーノート7でなくとも、わたしたちが普段使っているスマホでも場合によっては事故が起こりえますから、注意が必要なことに変わりないと言えるでしょう。 (取材・文:具志堅浩二)