常磐興産買収、賛同理由は「ハワイアンズ、50年後も存続の可能性」
スパリゾートハワイアンズを運営する常磐興産(福島県いわき市)の西沢順一代表取締役会長は16日、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループによる買収に常磐興産が賛同した理由ついて「ハワイアンズがいわきで30年後、50年後も引き続き運営できる可能性は、買収に賛成する方が高いと判断した」と明かした。 いわき市の東日本国際大で、常磐興産の寄付講座「観光サービス産業論」の講師を務め、学生たちを前に話した。 関根一志社長の前任の社長を今年6月まで務めた西沢会長は、新型コロナウイルスを乗り越え2期連続の黒字を達成したものの「借り入れが280億円ある。年収300万~400万円の人が1億円借りている状態。返済中にもう一度パンデミック(感染症の世界的流行)や震災が起こる可能性もあり、ずっと経営の悩みだった」と明かした。 昨年6月に同グループから買収の提案を受け、役員会で「この提案は二度とないかもしれないので正面から取り組もう。ただ拙速な判断はしない」と申し合わせて議論を重ねた。同グループは日本で積極的に観光ビジネスを展開しており、ハワイアンズをすぐにほかに売り渡す可能性は低いと考えたことなどから、買収を受け入れる判断をしたという。
福島民友新聞